どうも鳥井(@hirofumi21)です。
原稿料や出演料の話などを明確にしておかないというのは、日本人の美学やビジネスマナーとして暗黙の了解がありますが、これからはこの辺を明確にして提示してもいいのではないかなぁと思います。
たとえばイケダハヤトさんが今日公開していた以下の記事。
「原稿料1万円」じゃ、ぼくは書きませんよ…。 : まだ東京で消耗してるの?
イケダハヤトさんの場合は、1本5万円で書くと明言してくれています。
値段を明示するのはライティングに限らず、インタビュー出演料や、対談出演料などもそう。明確にしてくれるとウェブメディア側も頼みやすくなる、今日はそんなお話です。
ウェブメディアは、紙媒体と違い、費用対効果をカンタンに予測できる。
価格を明確にするっていうのは、これからウェブメディアが主体になってくる中で、受注者側からの良いアプローチになると思うんですよ。
紙媒体と違って、ウェブ媒体の場合は、読者にどれぐらいリーチしたのかっていうのは数字として、それこそ手に取るようにわかります。
書いて欲しいと思っている人が、どんな記事を書けるのかということ以上に、どれぐらいフォロワーがいて、どれぐらいPVが取れそうで、どれぐらいシェアされるのかというところまで、全て丸わかりです。過去の他媒体の記事とかを検索すれば一瞬でわかってしまいますからね。
運営側は、この人の記事を作ってもらうのに、メディアとして大体どれぐらい費用が掛かるかということさえわかってしまえば、あとは大体何PVぐらいとれそうで、どこにリーチできそうかということをある程度予想しながら、今の自分達のメディアにとってそれが見合うのかどうかを、編集会議で具体的に検討することができるんです。
「◯◯さんにお願いすれば、これぐらいの効果がでそうだから、今のうちのメディアの状況を考えた時に、◯万円の経費かけても作る意味があるよね!だからお願いしよう!」という判断ができてしまうわけです。
これは、編集者から編集長に企画書を提出して「なぜそのライター(取材対象者)を選んだのか?」という理由を具体的に説明するときにも非常に強い説得材料になります。
ウェブメディアで露出して、個人のメディアに呼んでくる。
以上の理由から、書き手として活動する上で「メディア露出を増やしたい!個人として名前を売っていきたい!」と考えている人は、明確に値段を明記しておく方が良いのかもしれません。
そして、仕事を受けるときは原則許可制にして、本当に公序良俗に反しそうな依頼のときはアウトにするとか、そういったブランディングの仕方も良さそうです。
池上彰さんは、マスメディア、特にテレビ番組にはかなり安い出演料で出られていたと聞きます。そこで一般の認知度を高めて、自身の書籍の販売部数の方へと繋げていたと。
池上さんと同じ手法は、「ウェブメディア→個人のブログ」という関係性の中でも可能だと思いますし、これだけブログが乱立している中では、かなり上手いやり方だと思います。
ブロガーさんの中でも「ウェブメディアで連載を持ってみたい!」とつぶやいている方々を時々見かけますが、そんな方こそ「自分に頼んでくれたらこういうメリットがあるよ!」という文章と共に、「全5回の連載を◯万円(※1記事あたりの文字数と写真の枚数は要相談)」みたいな感じで、1本記事を書いておくと良いのではないでしょうか。
少し話は逸れますが、ブログのいいところは各エントリで営業できるところです。どれだけ営業トークが苦手でも、記事さえ書いておけば、あとは放っておくだけで勝手にお仕事の依頼が入ってきますからね。それを使わない手はないと思います。
「タダでは受けません。」も明確に提示しておく。
逆に言うと「タダでは受けません(◯万以下では受けません)。初回のお問い合わせで明確に金額提示して下さい。」って明記しておくこともよさそうです。荻上チキさんがつぶやいていた以下の様な問題が起こらないためにも。
仕事依頼メールには原稿料などをあらかじめ書いてほしい、というのは前提として思ってるんだけどね。中でもたまに、最初のメールで「誠に些少ですが、当誌規定の原稿料をお支払いします」とだけ書いて送るところがあって。なら、その「規定の原稿料」を最初から書いてくれまいか…。
— 荻上チキ (@torakare) 2015, 11月 30
一度お問い合わせをするだけで、自動返信のように「タダでは受けません。」っていうお断りメールが返ってくるという方も実際にいらっしゃいますし、それが業界内では周知の事実だったりすることもあるので、そのあたりは個人のブランディング次第なのかなと。
最後に
今のウェブメディアの記事単価は本当に言い値だし、逆に言うと人間関係の世界で決まっていたりする部分もあります。「あの人のお願いだからタダで受ける」とか。
もちろんそんな義理人情や仁義の世界はとても素晴らしいことだと思いますし、僕らもその恩恵をめちゃくちゃ受けているので、それを安易に変えたいとは思っていません。
しかし一方で、新しくお問い合わせフォームから連絡をうけるときの窓口の在り方は、ウェブメディアみたいなものが現れてきている今だからこそ、もっと変わっていってもいいのではないのかなと思っています。
今日の話に関連して、以下の記事も合わせて読んでみてもらえると嬉しいです。
ウェブメディアが今バズっている人を安易に取材しちゃいけない理由。 | 隠居系男子
蛇足
最後に完全に蛇足ですが、学生のめちゃくちゃ優秀なブロガーさんで、「やぎろぐ」というブログを書いている八木仁平さんという方がいるのですが、彼のブログに書かれている「八木仁平レンタル」なんかも非常に面白い試みだなと思っています。
彼ほど学生ブロガーにリーチできて、しかも実際に数字も持っている、にも関わらず何でも1時間3,000円でお願いできるとか、破格中の破格ですからね。
1,000〜2,000文字の軽い記事だったら、1時間でサクッと書き上げてしまうでしょうから、彼にお願いして1本3,000円で記事を書いてもらうことだってできるわけです。
SEOのノウハウに長けているライターさんを探している方、学生界隈に向けたウェブメディアを運営しているという方は、本当に狙い目だと思いますよ。
それでは今日はこのへんで。
ではではー!