『円空を旅する』を読んで。

12月23日、「読む」をテーマにしたSUSONOのトークイベントが開催されました。

有料会員さん向けイベントなので、ここで詳細について書くことはできないのですが、佐々木俊尚さん、松浦弥太郎さんの「読む」に対するスタンスの話を聞きながら「本はどのタイミングで読むのかが大切だよなあ」と改めて感じました。

そんな気持ちで、ふと自宅の本棚の前に立ってみたんです。

そこで目に入ってきたのが、この本。

ずっと積読になっていた本だったのですが、今回は背表紙を観た瞬間に「今読まなきゃ」と思いました。

こればっかりはなぜだかわからない。

実際に読み終えてみると、まさに今このタイミングで読むべき本だったように思います。

円空ってどんな人?

円空は、江戸時代前期の修験僧で、東国から北海道まで旅しながら,各地で民衆を教化しながら仏像をつくった方です。

「円空仏」と呼ばれる独特の作風を持った木彫りの仏像を残したことで知られています。

一説によると、生涯に約12万体の仏像を彫ったと推定され、現在までに約5,300体以上の像が発見されているそうです。

良い意味で、“重宝がられていない”こと。

この本を読みながら、僕が一番衝撃を受けたことは、今もその仏像の数々が全国各地で現役であること。

当時と変わらず、今も現地の人々に愛されながら、しかも良い意味で重宝がられていない。その在り方がとっても素晴らしいなあと。

この点は、ものすごく民芸的だなとも感じました。

簡素でいい。簡略化してもいい。

そして、そのためには簡素でいい、簡略化してもいい。

この事実に対しても、ものすごく衝撃を受けました。

どうしても現在を生きる者として、インスタントなものに対し、ちょっとした嫌悪感が僕の中にあります。

でも、インスタントであることと、そこに魂がこもっているかどうかは全く別のお話。

日本中を旅しながら、その土地で出会った人々のために、即席で仏像を彫る。

その仏像が、現代を生きる人々にも、“現役”で愛され続けている。

その事実に対して、ものすごく感銘を受けたんだと思います。

最後に

なぜこの事実がこれほどまで自分の心を動かしたのか、それはまだよくわかりません。

ただ、どうしても「円空仏」の実物が見たくなったので、2019年のうちに必ずひとつは見に行ってみたいと思います。

ぜひご興味のある方は本書も手にとって読んでみてください。


このブログを普段から読んでくださっている方々には、きっと何かしらの発見に繋がることが書かれていると思います。

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