どうも鳥井です。
最近「自分を捨てる仕事術-鈴木敏夫が教えた「真似」と「整理整頓」のメソッド-」という書籍を読み終えました。
この本は、アニメプロデューサーの石井朋彦さんが書かれた本で、彼がスタジオジブリに務めていた頃、ジブリのプロデューサーである鈴木敏夫さんから学んだことを中心に、彼の仕事術を一冊にまとめた本です。
これ、大げさではなく全社会人の方、必読本だと思います。
少なくとも、このブログに興味を持ってくれているような方々は、全員読んでおいて損はありません。
なんといっても、鈴木敏夫さんに自分が怒られているような感覚で読むことができる、この疑似体験が素晴らしい!
今日はその中でも、特に刺さった「自分のために仕事をしない」という話について少し思ったことを書いてみようと思います。
「自分のために仕事をしない。」
石井さんが、スタジオジブリから独立して、その後なかなかうまくいかなかった頃。
過去に、鈴木さんに言われた言葉で、思い返した言葉があるそうです。その一節が本書に紹介されていたので、少し引用してみます。
自分のために仕事をしない
「おれも宮さん(宮﨑駿さん)もさ、昔から、他人のために仕事をしてきたんだよ。最初に『アニメージュ』をつくったときも、発売1ヶ月前に、突然やれと言われてつくった。
宮さんも、監督なんてなりたくなかった。一生アニメーターで終わっていいと思ってたんだ。でも、高畑さんの下でずっとアニメーターをやっているうちに、いつのまにか監督になっちゃったんだ。宮さんもおれも、自分から今の仕事につこうとおもったわけじゃない。」
ぼく(石井朋彦さん)にとって、この言葉はとても大きなものでした。
鈴木さんも宮崎さんも、自分ためにではなく、周りのために、そして最終的には、作品を見てくれるお客さんのために映画と向き合っている。
それに対してぼくは、「自分のやりたい企画」「自分がいいと思うアイディア」に固執していた。
いつのまにか「責任感」と「自己肯定」をはき違え、自分のことばかり考えて仕事をしていたことに気づきました。
そこで僕は、自分発の企画ではなく、自分のことを必要としてくれている人からもたらされた企画を片っ端から受けることにしました。
結果は劇的でした。
人からは、「あいつに頼めばなんとかしてくれる」と信頼してもらえるし、自分の心も健全です。
さらに得られたのは、人のふんどしを借りた仕事のほうが、自分をちゃんと出すことができる、という真実でした。
「好きなことを仕事にするべき」とは矛盾しない。
本当にこれはその通りだと思います。自身の実体験を通してみても、痛いほどよく理解できる内容でした。
でももしかしたら、ここまで読んできてくれた人の中には「鳥井がいつも主張している『好きなことを仕事にするべき』と、矛盾するじゃないか!」と思っている方もいるかもしれません。
でも違うんです。これは決して矛盾しません。
自分がやりたいことと、他人から求められていること、その交差点というのは必ず存在するんです。
その交差点をしっかりと見つけることができて、その芯のどまんなかに当てることができた時、ホームラン級の「結果」と「やりがい」がついてくるんです。
「自分が好きで、且つ、人から求められていること」を追求する。
そうすると、一気に仕事が楽しくなってくるんですよね。
逆に自分のエゴで進める仕事ほど、全然うまくいかない。結果も出ず、まわりからも総スカンをくらって、本当に辛くなる…。
だからこそ、自分のため”だけに”仕事しない方が良いのだと思います。
必ず、「自分が好きで、且つ、人から求められていること」を仕事にするべきなんです。
自分の好きなことが、他人から求められていない場合はどうすればいいのか?
じゃあ、「自分が好きなことだけど、まだ他人から求められていない場合はどうすればいいんだ?」と思う方もいるでしょう。
特に、これから就職しようとしている大学生の方や、社会人1〜3年目の方には、そう思っている方も多いのではないでしょうか?
結論から言えば、いま自分がそのジャンルで求められていないとするならば、どんどん自分から積極的にそのジャンルの情報を発信していくべきです。
誰に求められているわけでもないタイミングから、淡々と情報発信(アウトプット)をし続けていくこと。
そうすると勝手に、「このジャンルに詳しい人なんだ!」っていう認識を得て、次第にまわりからアドバイスを求められるようになってくる。
無闇にチャレンジして、勝手に玉砕し、諦めてしまうのはダメ!
このタイミングで、多くの人が犯してしまうミスとしては、周りから求められる人になる前に無闇に挑戦してしまうこと。
例えば、無理やりそのスキルをお金に変えてみようとしてみたり、その分野のコンテストや賞レースに無謀にチャレンジし玉砕したりして、諦めてしまうことなどです。
いや、そうやって玉砕する方はまだマシな方かもしれません。もっというと、最初から全くチャレンジせずに、何も手を出さずにいる方が最悪です。
「いつかエッセイストになりたい!」と言いながら、誰かに頼まれるまで一切エッセイを書かないというのと同じ話。
本当にエッセイを書きたいと思うのなら、誰にも求められていないタイミングから淡々とエッセイを書き続けて、まずは人に求められるレベルになるまで昇華させる必要がある。
そうすれば、次第に「あなたに書いて欲しい!」と、それを見てくれている人の方から勝手にお誘いしてくるようになりますから。
最後に
さて、そんな風に他人から求められる人材になるための具体的な方法について、下記の有料noteに書きました。
自分の好きを仕事にしたいと思っている若者は、ぜひ読んでみてください。
次世代を生きる若者が、好きなモノに囲まれた人生を送るための唯一の方法。|鳥井弘文|note
ネット上で注目される専門家になるためのテンプレは確実に存在する。|鳥井弘文|note
きっとヒントとなるのは、「人に求められるレベルになるまで、毎日無償で提供し続けること。そのためには誰からも求められていないのにも関わらず、ついつい毎日やってしまうことに全力で注力すること。」です。
そこに好きを仕事にするのヒントがあると思いますよ。
あとは信念を持って諦めることなく発信することができるかどうか、です。
それでは今日はこの辺で。
ではではー!