宮崎駿の引退に思うこと。遺言とナウシカ2の可能性。

ジ・アート・オブ 風立ちぬ (ジブリTHE ARTシリーズ)

今回のニュース、ただひたすら驚きました、どうも鳥井(@hirofumi21)です。

もうみなさんもご存知だと思いますが、宮崎駿さんが長編映画の制作を引退することを発表しました。テレビでも速報が流れるぐらい大事になっていたようですね。

各メディアも以下のように一斉に報道しています。

一方で、「宮崎駿さんは毎回引退宣言をしているから、今回もまたどうせいつものことだろう」と楽観視する声も…。

確かに、今まで「これが最後の作品だ」って言いながら、彼は作り続けてはきました。
それがスポーツ紙や週刊誌なんかで、ネタにされてしまうこともしばしば…。

ただし、今回はいつもと少し様子が違うような気もしています。
今までは、宮崎駿さんが「引退する!」って言ってても、スタジオジブリの人たちは「また言ってる」程度で相手にしていなかった。

しかし、今回はスタジオジブリ社長・星野康二さんから発表されました。

また、鈴木敏夫さんが映画公開前の記者会見で、遺言発言をしています。

更に意味深なのは、スタジオジブリプロデューサー見習いの川上量生さんが「宮崎駿引退」のニュースをさんざんリツイートしたあげく、アカウントを削除してしまったところ。

怪しい…。

いつもと雲行きが全然違う…。

ということで今日は、このニュースを受けて、自分が勝手に考えた、いや、勝手に妄想したことをツラツラと書いてみようかと思います。

鈴木敏夫さんがナウシカ2を実現させるためにうった布石?

陰謀論的な話は書きたくないんですけど、やっぱり今回の事を考えると、コレが一番しっくりくるというか辻褄が合うんですよね…。

このブログや僕のTwitterでも何度も書いてきていますが、ジブリを“操っているのは”間違いなく鈴木敏夫さんです。

鈴木敏夫という人間が、宮崎駿・高畑勲という2人の天才的なオタクを操って、うまく人間界と繋ぎ、商業化に成功させていると考えてもらえれば一番わかり易いかと思います。

彼のプロデュースがなければ、あの二人の作品がここまで世に出ることもなかったでしょうし、世間に受け入れられることもなかったはずです。

つまり、今回の発表でも、なにか鈴木さんの思惑があると思うんです。

もちろん、鈴木さんはそんなこと一生認めないと思いますけどね。

鈴木さんは「自分が見たいもの、面白いと思うものを作りたい」といつも考えていて、そのためには努力を惜しまない人だと僕は思っています。

そして、次に作りたい作品、世に出したい作品が庵野秀明監督がつくる『ナウシカ2』だったのではないかと思うのです。

庵野秀明監督のナウシカ2に対する想い

皆さんご存知の通り、庵野さんは若き頃、ナウシカの巨神兵のシーンを担当されていました。

巨神兵の描写が、そのままエヴァに繋がっているとも言われています。

しかしその後、ポニョまでの宮崎駿さんの作品に関して、庵野さんは「宮さんが衰えた」というような発言を繰り返してきました。

そして、「自分にナウシカを作らせろ」ということも何度か打診してきたようです。しかも全3部作で…。

鈴木さんが2人の関係をとりもった?

このような発言をしてしまっているせいで、世のメディアからはそれを面白がられて、昔は師弟関係だった2人がネタにされ、「庵野監督、ポニョを批判」のような記事が散々書かれてきてしまったわけです。

庵野さんも、宮崎駿さんも、生粋のオタク。決してコミュニケーション能力に長けているとは言えません。外側からそのように固められてしまえば、少なからず2人の関係に影響があったでしょう。

でも、鈴木さんはお互いがお互いを尊敬しあっていることは知っている。更に庵野さんがナウシカ2を作りたいことも知っている。

宮崎駿さんもナウシカ2をずっと否定してきましたが、「庵野だったら作らせてもいいかな」とぼそっと口にしたと、鈴木さんがラジオの中で言っていました。

ここにきての、『風立ちぬ』公開です、「庵野秀明、主役抜擢」で…。

そうすると、メディアはここを一斉に取り上げますよね!「2人の映画監督がすごく仲良さそうに、映画を一緒に作り上げてきた」っていうような報道も実際に沢山でていました。

鈴木さんは最初からこの構図を作りたかったんじゃないかと思うんです。

堀越二郎の声優を決める会議の前日の夜に、庵野さんとお会いしているっていうところも非常に怪しい・・・。正直、出来レース感がハンパないです。笑

鈴木敏夫さんが遺言という言葉を宣伝に多用した。

そんなこんなで、庵野さん主役声優で公開が決定した『風立ちぬ』でありますが、その記者会見やインタビューの場で、鈴木敏夫さんは何度も“遺言”という言葉に触れてきました。

例えば…

鈴木プロデューサーは、まだ完成していないものの、その完成度に自信を見せ、「本人に『この映画は宮さん(宮崎監督)の遺言なんですかね』って聞いたら、『かもしれない』って」と、意味深な発言も飛び出した。

引用元:スタジオジブリ:最新作「風立ちぬ」は宮崎駿の遺言? 鈴木敏夫Pが裏テーマ明かす – MANTANWEB(まんたんウェブ)

―スタジオジブリ最新作『風立ちぬ』は、宮崎駿監督の“遺言”の意味があるそうですね。

いや、簡単ですよ。宮崎駿のお母さんが71歳で亡くなっている。
彼は72歳。一年余分に生きているので、いつあれしてもおかしくない。
そう思って言っただけです(笑)。
ただね、死はいつが訪れるか分からないでしょ?
だから死を強く意識すれば、人は充実して生きる。
僕は、そう思っています。

それに僕はプロデューサーなので、そういうことを『風立ちぬ』に無理矢理くっつけて話しますが(笑)、これは戦争中の物語。
戦闘機に乗るということは、常に死が隣り合わせにある。そういう緊張感ある映画だなとは思います。
映画の中に、こういうセリフが出てきます。
“飛行機は美しい夢だ。しかし、同時に呪われた夢でもある。”と。
いい言葉だなあと思ってね。
宣伝に使っていこうと思っていますけれど(笑)。

引用元:THE VOICE [01鈴木 敏夫] イオンシネマ

などなどです。

このように、宮崎駿をここで(一度?)引退させ、死の匂いも漂わせながら、庵野監督にナウシカ2を作らせる状況を作りたかったのではないかと思うんです。世間的にも庵野さんに対するメッセージとしても。宮崎駿さんがご存命のうちに…。

外枠を固めるその他の企画が続々と。

今回、高畑勲監督の『かぐや姫』を『風立ちぬ』の公開と同日にしようと決めたのも鈴木さんです。

これは、宮崎駿さんがパクさん(高畑勲)のことを最大のライバルであり、最高のアニメ監督であると捉えていることを知ってる上で、彼を奮い立たせるための施策だったと思われます。

まぁ、結局『かぐや姫』は制作の遅れを理由に公開日がズレてしまいましたが…。でも、結果として宮崎駿さんの製作過程に影響を与えることには成功したわけです。

そして、『風立ちぬ』の一つ前のジブリ作品は『コクリコ坂から』であり、宮崎吾朗監督作品でした。宮崎吾朗さんに対して、宮崎駿さんが、父として・先輩アニメ監督として色々と思うところがあるのは、鈴木さんが一番知っているところだと思います。

そんなこんなで、今回の『風立ちぬ』をつくる宮崎駿さんに「全力を尽くして作らせる」ということには間違いなく成功したと言えるでしょう。

また、今年の秋公開予定のジブリの秘密に迫ったドキュメンタリー映画『夢と狂気の王国』をドワンゴ(川上量生さん)に作らせているのも、非常に怪しい…笑

映画『夢と狂気の王国』公式サイト

このようなカタチで外枠を固めれば、ジブリとして、ここでひとつ終止符をうつことができ、庵野さんのナウシカ2も理解されやすいと踏んだのかもしれません…。

これからも続く二人の天才による映画

もちろん、前にも書いたように、鈴木さんは宮崎駿さんと高畑勲さんと心中するつもりだと思います。

『おおかみこどもの雨と雪』ポスト宮崎駿の行方 | 隠居系男子

彼らが死ぬまで、二人の作品を作り続けていきたいと考えていることは間違いないでしょう。

なので、今回の引退表明も撤回される可能性はまだまだ高いと思います。

だからこそ、一番わかりやすい目的は「ナウシカ2の実現」だったのではないかなと。

『風の谷のナウシカ』は「アニメージュ」という鈴木敏夫さんが担当していたアニメ雑誌に連載していた漫画が原作となっているだけあって、この作品が鈴木さんと宮崎さんの2人にとって原点であることは間違いないはずです。
それくらい、思い入れの強い作品でしょう。

そこに対する布石として、この3〜4年の長い年月をかけて鈴木さんが思い描くシナリオを進めてきたということも十分考えられるのではないかなと……。

以上、僕の妄想でした。

完全に妄想です。何の根拠もありません。
いざ9月6日の記者会見をみてみたら、全然話が違うっていうことも十分ありえます、というより間違いなくそうでしょう。

ただ、今までの一連の流れから考えると、「このシナリオも、まぁ0.9%くらい確率としてはあるかな~」って思ったんでこのニュースの勢いに任せて書いてみました。

なにはともあれ、宮崎駿監督、本当に長い間お疲れ様でした。

まずはゆっくり休んでほしいと思います。

そして、これからの“何かしら”の作品に期待しています!

それでは今日はこのへんで!

ではではー!

鳥井弘文

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