スタジオジブリが企業として継承できなかったことの何がいけないのだろう?

どうも鳥井(@hirofumi21)です。

今日は久しぶりにジブリネタ。

昨年、女の子2人を主人公にした「思い出のマーニー」が同じく女の子を2人主人公にしたディズニー映画「アナと雪の女王」に観客動員数で圧倒的な大差で負けてしまいました。

そして今は同じくディズニー映画の「ベイマックス」が日本中で大盛り上がりです。そんな現状みて「ディズニーは継承できたのに、ジブリは継承できなかった。」と批判する人たちがいます。

でもそれの何がいけないことなのでしょう?今日はそんな疑問について少し書いてみようかなと思います。

世界中にジブリの意志を継ぐ後継者は多く存在する。

確かに、もう昔のようなジブリ作品は出てこないのかもしれません。

それは、宮﨑駿さんが技能を社内継承してこなくて、ずっと現役を貫いてきたのが原因だと言われています。「他人に教えながらつくるよりも、自分でやってしまったほうがいい!」と考え、ずっと現役を続けてきたからのが原因だと。

天才に依存して成り立ってきた会社の典型的な行く末を辿っているのだと思います。

でも思うのです。

ジブリはたとえ社内にその技術を継承できなかったしても、日本国中、いや世界中にジブリの意志を継ぐ後継者は残したのではないでしょうか。

ジブリの作品に込められた想いだったり思想というのは、とてつもなく多くの人達に届き、その意志を引き継ごうとしている人たちが世界中に存在しています。

それこそピクサーのジョン・ラセター監督だってそうですし、スポーツ選手や芸能人など異業種の方々でも、スタジオジブリが好きだという話はよくしていますよね。

企業の存在目的とは何か?

企業とは、社会に何かしらの影響を与えたいから作られるのだと思います。

そう考えれば、スタジオジブリは社会に確実に影響を与えてきた。そして、その思想はしっかりと次世代の人々へと引き継がれているわけです。

ジブリに限らず、日本のアニメ業界というのは、ずっとそうだったのではないでしょうか。

手塚治虫さんもきっとそうだったのだと思います。日本のアニメ制作費が安すぎるのは彼が元凶だったとよく批判されますが、手塚治虫さんが作ったアニメは、その後の日本のアニメやマンガ文化にとてつもなく大きな影響を与えました。

そして、アニメに限らず家電やロボット技術など日本の様々な文化形成に大して多大なる影響を与えているのは皆さんもご存知の通りだと思います。

最後に

このような形が、日本の社会構造の素晴らしさだと僕は思っています。

会社として「半永久的な存続」や「利益を出し続ける」ことが企業の唯一の道だと思い込んで、そこに躍起になるのは違うのかなと。

それは、手段が目的になってしまっている気がしてしまうのです。役目を終えた企業が衰えていくことは、至って普通のことなのではないでしょうか。

今の日本の政治も「経済成長」をしなければならないと主張されているのを見聞きするたびに、これと同じような違和感を覚えてしまいます。

「右肩上がり」「永遠に成長すること」それだけが唯一の人類の進化のように捉えられがちですが、人類の進化と向上というのは、それだけが全てではないような気がしています。

スタジオジブリは、それを見事に体現してみせてくれたのではないでしょうか。そんなことを思う今日このごろでした。

それでは今日はこのへんで。

ではではー。

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