これからの事業に求められるのは「人の居場所づくり」。

どうも鳥井(@hirofumi21)です。

今回の熊本〜福岡の旅の移動中、オーディオブックで「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『イノベーションと企業家精神』を読んだら」を聴き終えました。

今日はこの本をご紹介しつつ、これからの企業に求められるであろう「人の居場所づくり」について、少し考えてみたいと思います。

テーマは「居場所づくり」。

本書のテーマのひとつは「居場所づくり」。

このことについて、僕がグダグダと語るよりも、著者である岩崎夏海さんと川上量生さんの対談記事を引用したほうが理解しやすいと思うので、ちょっと引用しています。

岩崎 先ほど、居場所づくりと利益追求は矛盾しているとおっしゃいましたね。ドラッカーも、まさにそれを矛盾ととらえながら、しかしその矛盾している状態こそが本質ではないかと考えた。それを解決しようとすることは、たとえるなら「焼け石に水」なんだけれど、でもその水をかけるという行為こそ、実は尊いのだと。

川上 その水をかける行為って経済合理性がないんだけれど、ドラッカーはそれが大事だと言ったわけですね。つまり、資本主義の論理に完全に個人を一致させて合理的に生きていくことよりも、人間の善なるものを信じて非合理的に生きる方を正しいとした。競争原理からいうと前者のほうが正しいんだけれど、後者のほうが人間らしいですよね。そして、僕もドラッカーと同じく、後者のような人間らしさを大事にすべきだと思うんです。なぜなら、経済合理性だけで判断することは、最終的に人工知能に置換されてしまうから。

岩崎 まさにそうです。だからドラッカーは、「理念ではなく現実からスタートする」というのを口すっぱく言っていました。「人間らしさ」という「現実」があるのだから、それを抜きにしては考えられないよ、と。そしてその方が、結局はうまくいくんだと。

引用元:『もしドラ』より『もしイノ』の方が面白い!荒唐無稽な物語が持つ大きな説得力 【川上量生×岩崎夏海】対談(前編)|もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『イノベーションと企業家精神』を読んだら|ダイヤモンド・オンライン

企業の発展よりも「人の居場所づくり」を重視する企業。

少し話は変わりますが、「灯台もと暮らし」で今年の3月に公開した「地域 ✕ 企業特集」。

島根県石見銀山の群言堂さんを第1弾に選ばせていただきました。

参照:今、私は何を継げるか?【島根県石見銀山・群言堂】特集、はじめます。 | 灯台もと暮らし

群言堂さんも、「経済合理性」よりも「人の居場所づくり」を第一に考えている会社です。

群言堂さんに対して惚れ込む理由というのは人それぞれだと思いますが、僕が一端の経営者として、この会社に惚れ込んだ理由もまさにこの「居場所づくり」の思想でした。

参照:「灯台もと暮らし」で地域に根づく企業特集、始めます。 | 隠居系男子

また、最近「灯台もと暮らし」で公開されたばかりのイケダハヤトさんの記事。彼が高知でつくりたいと考えている事業も「人の居場所づくり」そのものです。

参照:【高知県嶺北・本山町】イケダ夫妻・ミキ「はっくんはよく笑うようになった」【夫婦対談】後編 | 灯台もと暮らし

「地方豪族2.0」を目指しているような人たちは、企業よりも“クニ”を作りたいと思っているので、事業の拡大よりも「人の居場所づくり」の方に主眼を置いている方々が多いのです。

「これからの暮らしを考える」ウェブメディアの使命。

僕が自分で起こした会社に「Wasei」と名付けた理由も、言ってしまえば居場所づくりがしたかったからです。

「Wasei」という名の由来の1つでもある「和を成す」というのは、まさに「居場所づくり」そのものだと思っています。

企業として、事業に携わってくれる人々に居場所を得てもらいながら、群言堂さんのような企業や移住者が増えている地域など、日本中、いや世界中の様々な居場所づくりの事例を、読者の方々にわかりやすく提案していく。

それが、「これからの暮らしを考えるウェブメディア」の使命なのではないかと、最近よく思うのです。

多様性の本質は、選びたい生き方を自由に選べること。

「『和を成す』を強制することが、日本の害悪そのものである。」という意見があるのは重々承知していますし、その主張もとても理解できます。

しかし、「強制」するからダメなのであって、「人の居場所」を大切にすることは決して悪いことではない。

もちろん、グローバル社会の中で、経済合理性の最先端で生きていこうとする人たちの生き方も素晴らしい。

ただ、これからの世の中でロボットやAIがドンドン発達してきて、人の仕事が一気に置き換わっていく中で、市井の人々が困るのは間違いなく「自分の居場所」だと思います。

だからこそ、どちらの生き方も、同時に応援できるような存在でありたい。

多様性の本質とは、選びたいと思う生き方を自由に選べるように、その情報と選択肢がしっかりと提示されていることだと思うので。

参照:各々の最良の決断に辿り着くためのきっかけとなれるメディアでありたい。 | 隠居系男子

最後に

まだ何の答えにも辿り着いていないですし、これから色々な矛盾にぶつかるとは思うのですが、進むベクトル自体は決して間違っていないと思っています。

「もしイノ」は、少し迷っていた自分の背中を押してくれるような、そんな本でした。

同じようなことに興味関心がある人は、ぜひ読んでみてください。なにかしらのヒントが得られると思いますよ。

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『イノベーションと企業家精神』を読んだら Kindle版

それでは今日はこの辺で。

ではではー!

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