映画『スティーブ・ジョブズ』が最高で最悪だったワケ。

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どうも鳥井(@hirofumi21)です。

昨日、映画『スティーブ・ジョブズ』を公開初日に観て来ました。

観に行く前までは、正直それほど期待しておらず、「スティーブ・ジョブズに関する本は色々と読んだから、ついでに映画も観ておこう!」ぐらいの感覚でしかありませんでした。

でも観終わってみると、僕にとっては本当に最高の映画でした!

ただ、他のお客さんには、ものすごく退屈な映画だったようです。

後ろに座っている親子は、お母さんも娘さんも後半からあくびしまくりだったし、エンドロール始まった途端、客の半数以上が立ち上がって出て行きました。多分、今まで自分が観に行った映画の中で一番多い人数が立ち上がったんじゃないかなと。

この映画は試写会の時点でも、感想が真っ二つに割れていたようだったので、今日は「なぜこれほどまでに賛否両論分かれる結果となったのか」について考えてみたいと思います。

ネタバレを含むので、まだ観ていない方は気をつけてください。Appleという企業に興味があったり、スティーブ・ジョブズ関連本を読んだことがあれば、ネタバレでもなんでもないかもしれませんが…笑

Appleの歴史を知らないと、わけがわからない。

まず、一番の大きな原因は「Appleの歴史を知らないと、わけがわからない。」ということでしょう。

今回の映画は、ジョブズがiPodを完成させるところまでしか描かれていません。

しかし、多くの人が、Appleに興味を持ち始めたのは、iPod miniやiTunesで楽曲配信がはじまったぐらいからだと思いますし、ジョブズのカリスマ性が世間的に注目されるようになったのも、iPhoneやiPadの誕生あたりからでしょう。

そう考えると、今回の映画は、多くのお客さんが見たいと思っていたその制作裏が全く描かれていないわけです。

iPodを完成させるというシーンも、実は冒頭の数分しか描かれておらず、あとは若い頃のジョブズがいかにしてAppleを創りあげ、Appleから追い出されて復帰したのかがメインとなっています。

ジョブズ復帰後、iPod以前に発売され注目を集めたカラフルなiMacも、ジョナサン・アイヴとその完成予想図を見ながら会話する部分しか出てこなくて、実際の製品は一度も画面には映りません。

こうなってしまうと、書籍『スティーブ・ジョブズ』の上下巻を読んでいたり、本当に初期の頃からAppleのファンでなければ、今回の映画は観ててもかなり退屈だったと思われます。

逆に言えば、このAppleの歴史を知ってて観に行くと、あの1984のCMが公開されるシーンや、ジョブズが「クレイジーな人がいる」の声を実際に吹き込んでいるシーンなどは、本当に鳥肌が立つぐらい素晴らしく感動モノなんですが…。

役者陣の演技が素晴らしいけど、それが伝わりにくい

Appleの歴史を知っているかどうか、という話にも繋がるところではあるのですが、Appleの歴史を知っている人間からすると、役者陣の演技が本当に素晴らしく見えるんです!

本を読んで描いていたイメージが、まさにそのまま!

もちろん、主演のアシュトン・カッチャーの演技はずば抜けて素晴らしく、ちょっと前のめりの歩き方や、喋り方もそっくりで驚かされるのですが、他の役者陣もすごいんです!

特に、スティーブ・ウォズニアックやマイク・マークラ、ジョン・スカリーあたりはすごかった!

ジョブズが亡くなった時、彼らも多くのインタビューなどに答えていて、その記事がネット上で拡散されていたものを読んだりもしましたが、その時の印象そのままでした。

もちろん、本当に会ったことのある人間からすれば、「あれはぜんぜん違う!」ということになるかもしれませんが、少なくとも本を読んだだけの人間から言わせると、見事に忠実に演じられているなと思わされてしまいます。

ただ、この辺の事情を知らずに見に行くと、何も感じずに流してしまうか、違和感のある演技に見えてしまうのかもしれません。

残酷な人間ドラマが日本人には合わない。

企業が成長していく過程で起こる「裏切って、裏切られる」という描写が、日本人にはあまり好かれないというのも、大きな原因の1つでしょう。

Facebookを描いた『ソーシャル・ネットワーク』が公開された時も、実際に同じような反応がありました。「すごいとは思うけど、自分はこうはなりたくない。」や「こうゆう人間とは、友達にはなりたくない」というような意見。

確かに日本人の「和をもって尊しとなす」という発想から考えると、ジョブズが真正面から相手に向かって罵声を飛ばすシーンは、あまり美しくは映らないかもしれません。

ただやはり、あれだけ大きな企業に成長していく過程では、あのような残酷な人間ドラマが一方ではあったんだということは、物語を語る上で必要不可欠な部分です。

むしろ、もっともっと酷く描かれていると思っていたら、意外とオブラートに包んで表現されている部分が多かったので、逆に安心してみることが出来ました。笑

最後に

今回の映画、期待していなかっただけに、本当に面白かったです!

個人的には『ソーシャル・ネットワーク』の3倍良かったと思います!もう1回と言わず、あと2回ぐらい観たい勢い。

自分にとっては、この映画でやっと「スティーブ・ジョブズという人物像」が完成したように思えます。興味がある人は、ぜひ本を読み終えた後に観に行って欲しいです!

スティーブ・ジョブズ I

映画公開期間中に読み終えられるか不安な人は、映画を見たあとに本を読んで、読み終わったらもう一度DVDで観てみると面白いかもしれません。

個人的には、本当にオススメの映画でした!

それでは今日はこのへんで!

ではではー!

鳥井弘文

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