他郷阿部家を訪れて。僕がつぎはぎ文化に惹かれる理由。

前回のブログにも書いたように、昨日から今日にかけて島根県石見銀山にある群言堂さんを訪問してきました。

参照:隙間があると埋めたくなる。富の象徴ではなく、クリエイティブ欲を発揮するための広い家。 | 隠居系男子

前々からずっと訪れてみたかった「他郷阿部家」にもお邪魔してきました。

今日はその感想を少しだけ書いてみようと思います。

他郷阿部家とは?

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他郷阿部家は、廃材などをうまく活用した、古民家を改修した宿泊施設です。

ここでどんな空間なのかを具体的に説明し始めると、かなり長くなってしまうので、詳しくは「灯台もと暮らし」の記事を読んでみてください。

【島根県石見銀山・群言堂】泊まれば、もうひとつの我が家になる。築227年の暮らす宿「他郷阿部家」 | 灯台もと暮らし

【島根県石見銀山・群言堂】何者でもない私が「他郷阿部家」の見習い女将になるまで|大河内瑞 | 灯台もと暮らし

「うちは、つぎはぎ文化ですから。」

僕は終始この空間に圧倒されていたのですが、案内してくださった松場忠さんが何気なくつぶやいていた「うちは、つぎはぎ文化ですから。」という言葉が今でも強く印象に残っています。

この言葉を聞いた瞬間、自分の中でこれまでの経験が一気に繋がったような気がしたのです。

つぎはぎ文化は、日本のブリコラージュ。

「灯台もと暮らし」というメディアを立ち上げるときに、かなり強く影響を受けた「BORO」という展示があります。

参照:自分に大切なことを知り、必要なモノを持てることが豊かさだ。 | 隠居系男子

なぜこの「BORO」に惹かれたのか、今までちゃんと理解できていませんでした。

でも、その答えがやっとわかったんです。

きっとつぎはぎ文化とは、日本のブリコラージュなんだと思います。

参照:ボトムアップ型のDIYでつくりだす。なぜブリコラージュ的な発想が、いま重要になってきているのか? | 隠居系男子

決して排他的にならず、原理主義にも陥らない。

群言堂さんが他のライフスタイル提案型の企業と一線を画するのは、そのつぎはぎ文化を大切にしているからなのでしょう。

排他的にならず、原理主義にも陥らない。

ただそこにあるものを使って、新しい何かをつくり出す。

もちろん、必要なものを無理やり外から持って来ることもしません。

群言堂さんが大切にしている「復古創新」とはまさにそんな意味の言葉なのだと思います。

参照:【島根県石見銀山・群言堂】「復古創新」を支える影の立役者|本物のお百姓さん 楫谷稔 | 灯台もと暮らし

最後に

「決して新しいものを拒んでいるわけではないんです。ここでiPhoneを使ったっていいし、Wi-Fiだって飛んでいます。」

群言堂さんは、ただそこに存在するもの、自然と集まってきたものを活用する。モノも人も。

いや「活用する」という言葉さえも大げさですね。

きっと一番おさまりの良いところに、そっと配置するぐらいの感覚。

でもそれが一番モノも人も輝くのだと思います。そこがそのものにとっての居場所になるわけですから。

ここなら受け入れてもらえるという安心感は、きっとこうやって生まれてくるのでしょう。

そして、本当の意味での多様性に繋がっていくのだと思います。

今このタイミングで、群言堂さんと出会えて本当によかったです。

ご興味があればぜひ一度、他郷阿部家に訪れてみてください。

暮らす宿 他郷阿部家について | 石見銀山生活文化研究所|群言堂

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