隙間があると埋めたくなる。富の象徴ではなく、クリエイティブ欲を発揮するための広い家。

実は先日、鹿児島に行ってきました。

理由はこのブログでは何度かご紹介したことがある「Lucky Brothers & co. 」のおふたりにお会いしたかったから。

そこでシモツくんと会話した話がとても印象的で今でも忘れられません。

今日はその会話の一部を少しだけご紹介してみたいなと思います。

「クリエイティビティを高められる空間は、地方のほうが揃っているなと感じますね。」

シモツくんは、東京で起業してから鹿児島へUターンしました。

鹿児島に戻ってから、突然広い家が欲しくなったそうです。

以下、その時の僕らの会話です。

シモツ 今一番思うのは、広い家が欲しいなと思うんですよ。住む場所として広い家というより、色々できる可能性が広がる広い空間が欲しいってだけなんですけど。知り合いのデザイナーさんは、3.11を機に東京から地元に戻ってきて暮らしていたんですけど、広い家が欲しいってことで、ここからちょっと離れたところに大きな空き家を買って、自分で家を作ってみたいなことをやっているんです。田舎だと、そういうことがすぐ簡単にできるわけじゃないですか。それってすごく楽しいなと思うんです。まだ東京の人には気づかれていないよな、みたいなことはよく思いますよね。

鳥井 「人は、隙間があれば埋めたくなる」理論と一緒で、空間があると人間のクリエイティビティって勝手に発動し始めるということなんでしょうね。イケダハヤトさんなんて良い例じゃないですか、高知にあんな大きな土地を購入したから、150万円で生きていくって東京で言ってたくせに、色々やりたくなっちゃってるという話で。ひとつ何かを始めると、芋づる式にどんどんやりたいことが広がっていくんでしょうね。隙間や空間があるところに自分をおいた方が、より自分の可能性が広がっていくということなのかもしれません。

シモツ それは、めちゃくちゃ思いますね。東京は「ここ!」って決められた8畳の空間しかないので、押し込められてる感というか、発散していかないんですよね。発散したとしても画面内(インターネット)で止まってしまいます。それが鹿児島だと、まわりにそういうことやってる人がいたりするので、外にも目が向くというか。フィジカルでクリエイティビティを高められる空間は地方のほうが揃っているなと感じますね。

鳥井 富の象徴とか成功している証みたいな理由から広い家が欲しいんじゃなくて、もっと自分のクリエイティブ欲を高めるために広い家、広い空間が欲しくなってきたってことですよね。今若い人たちが地方に移住して、自分たちの空間を作り始めているのはまさにそれが理由なのかもしれません。めちゃくちゃ良いヒントになりました。ありがとうございます。

※記憶を辿りながら書いているので、発言通りかどうかは曖昧です。

自分の欲求に正直に向き合った結果、広い家が欲しくなった。

いかがでしょうか。

僕はこの話を聞いた時にものすごくおもしろいなあと思いました。

どうしても、東京で広い家に住むって、旧来的な富の象徴の証であって、今の若い子たちにとってはクールじゃない。

だからある種、カウンターカルチャー的な感じで、よりミニマルな方向へと向かっている。

でも、このシモツくんの話には、そういった他者の目は一切介在せず、自分のクリエイティブ欲に正直に向き合った結果「広い家が欲しい」と思ったわけです。

なんだかとてもハッとして、個人的にはものすごく腑に落ちました。

最後に

さて、今日はこれから「灯台もと暮らし」でも特集をしたことがある群言堂さんにお伺いしてきます。

今、私は何を継げるか?【島根県石見銀山・群言堂】特集、はじめます。 | 灯台もと暮らし

【島根県石見銀山・群言堂】「石見銀山生活文化研究所」ってどんな会社?そんなあなたに捧ぐ虎の巻 | 灯台もと暮らし

僕は今回初めての訪問になるのですが、まさにこの場所はそんなクリエイティブ欲に正直な人たちがつくりあげた土地であり、空間が広がっている。

今からとっても楽しみです。何かまた新たな気づきがあれば、このブログに書いてみたいと思います。

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