最近、大手メディアやリアル店舗や訪れると必ず見かけるのが、サステナブルやエシカル、SDGsの文字です。
僕自身もこの波に押されて、「あー、いよいよタンブラーを買わないといけないのかなあ…」と思わされている自分に気が付きました。
そっちのほうが「イケてる」というムード(雰囲気)が世間的につくられ始めているからなのでしょう。
少なくとも、今そういったキーワードに疎いことは「ダサい」というレッテルが貼られるようになってきた。着実にそんなムードが生まれ始めてきています。
僕らは見事に、メディアや店舗の新しい消費喚起の罠にハマっているわけですよね。
「丁寧な暮らし」ブームを振り返って。
きっとこれからもそうやって新しい需要がずっと作られ続けられていくのでしょう。
ふと、思い返してみると、2010年代に流行った「丁寧な暮らし」文脈で人気になったアイテムに、サステナブル要素が含まれているアイテムってほとんどなかったと思います。
参照:「暮らし」に関する論争をみていて思うこと。 | 隠居系男子
「丁寧な暮らし」を追い求めることによって、「上質な」や「心地よい」というキーワードを獲得することはできたかもしれないけれど、その暮らしが「SDGs」の基準に則っているかと言えば、決してそうではない。
もちろんプラスチックを使っているアイテムだって多いはず。
自分の中の意識が変わり始めたら、今度はそれらに買い替えたくなる。
でも、そうやってすぐに買い換える行動が果たして、本当にそのSDGsの理念に沿っているのか?ということは、一度立ち止まって考えなければいけないことだと思います。
今の市場は、売り続けなければいけない仕組み。
もちろんこれは、買い手側だけの問題ではありません。
売り手側の問題でもあると思います。
今の市場では、「新たな需要喚起をして、商品を売り続けなければいけない」そんな仕組みになってしまっている。
多くの企業が本気で地球環境を憂いているわけではなく、売り続けて今の体制を維持するために使っているのが「サステナブル」というキーワードであって、また新しい世界的なキーワードが生まれたら、そちらに乗っかって新しい商品を売り続けるのでしょう。
ビジネスモデルを前提から問い直す必要がある。
そういえば、昨日こんなツイートしてみました。
「素直」と「真面目」は一見似ているけれど、混同してはいけない。素直であれば、何事に対しても新鮮な気持ちで受け入れられるけど、真面目は、これまで習ってきたものにすぐ当てはめて考えてしまう。これまでは「真面目」のほうが尊ばれていたけれど、これからは「素直」のほうが求められる時代だよ。
— 鳥井 弘文 (@hirofumi21) 2019年7月4日
「薄利多売」とか「店舗数を増やす」とか、そういった過去のビジネスモデルを真面目に踏襲しようとするから、このスパイラルから脱却できないのだと思います。
そうじゃなくて、もっともっと素直に考え直したほうがいいのかもしれません。
従来のテクニックに逃げるのではなく、「あれ…?本当に売り続けなければいけないんだっけ?」と前提から問い直す必要が出てきている。
そうじゃないと、この新しい価値観には本当の意味で応答することはできないのだと思います。
最後に
いつの時代も、人の心を動かし、抜本的に仕組みを変えてしまうのは、素直なひとの発想です。
こんな偉そうなことを書いてきましたが、具体的な解決策は僕もまだわかっていません。
ただ、それをみんなで考えていくタイミングが今なのではないでしょうか。
そんなことを考えている今日このごろです。
いつもこのブログを読んでくださっている方々にとっても、何かしらの考えるきっかけとなったら幸いです。