『風立ちぬ』原画展を観にいって、鈴木敏夫さんの言葉の意味を理解できました。

どうも鳥井(@hirofumi21)です。

2014年夏、絶対に行きたいジブリの展示イベント3選」という記事内で紹介した東京ソラマチで開催中の『風立ちぬ』原画展に、昨日行ってきました。

行って本当に良かったです。6月30日までの開催なので残り2日しかないですが、ぜひ多くの方に観に行って欲しいので、今日はこの原画展の紹介をしてみようと思います。

宮﨑駿が抱える矛盾

「戦闘機が大好きだけど、反戦運動にも参加していた宮崎駿に、戦争、そしてその戦闘機を作った男を描かせたらどう描くのか、その矛盾の中で葛藤しながら描く宮崎駿がみてみたい。

引用元:プロフェッショナル仕事の流儀・宮崎駿『風立ちぬ』特集のこれじゃない感。 | 隠居系男子

鈴木敏夫さんが昨年何度も強調していたこのお話。僕が『風立ちぬ』の制作秘話の中で一番好きなエピソードです。今回の原画展ではこの意味するところがヒシヒシと伝わってきました。

宮﨑駿さんが直筆で描いたイメージボード。戦闘機や爆撃機、二郎の夢の中に出てくる鳥型飛行機など、全ての飛行機がものすごく鮮明に描かれており、とても生き生きとしているんです。

細部まで抜かり無く描かれており、特にエンジンまわりなんて、とっても楽しそうなんですよ。これ描いている時の宮﨑駿さんの気持ちを想像するだけで、こっちまでワクワクしてくるような感覚。

展示の中には、他にも美しい日本の原風景だったり風情ある日本家屋の絵だったりと、いつもの自分なら絶対にそっちに惹かれてしまうような原画がたくさんありました。

しかし、飛行機の絵がひときわ異彩を放っていてそれどころじゃないのです…。

飾られている絵を一枚ずつ見ていくと、これが人を殺すなんて思えなくなります。その絵の中には「喜び」や「楽しみ」しか表現されていなくて、なんとも無邪気。まるで少年が書いた絵のように。

こんなデッサンを30年間常日頃から横で観てきたのであれば、鈴木さんが宮﨑駿さんの集大成として、この作品を提案したのも、そりゃあもう完全なる真理というか、絶対にそうならなきゃ嘘だろうなと。

今回の原画展を通して、上記の鈴木さんの言葉を本当の意味で理解出来たような気がします。

最後に

「いいかね,日本の少年よ。

飛行機は,戦争の道具でも,商売の手立てでもないのだ。

飛行機は美しい夢だ。

設計家は夢に形を与えるのだ。」

「空を飛びたいという人類の夢は呪われた夢でもある。

飛行機は殺戮と破壊の道具になる宿命を背負っているのだ。」

「創造的人生の持ち時間は10年だ。

芸術家も技術家も同じだ。

君の10年を力を尽くして生きなさい。」

東京ソラマチで6月30日まで開催しています。興味がある方はぜひ行ってみてください。

「風立ちぬ原画展」開催|イベント|東京ソラマチ

それでは今日はこのへんで。

ではではー!

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