「合同展rooms29」で感じた、日本のクリエイションが進むべき道。

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どうも鳥井(@hirofumi21)です。

先日、ご縁があって「合同展rooms29」に行ってきました。

今日はこの展示会に参加してみて思ったこと、「日本のクリエイションは、感度の高い日本人を経由した上で、海外の人へ届いていくべきだ」という話について書いてみようと思います。

「合同展rooms29」とは?

まずは、「合同展rooms29」がどんな展示会だったのか、Fashionsnap.comのサイトから引用してみましょう。

「rooms」は、2011年の東日本大震災以降、6シーズンにわたって「日本を考える」をテーマに開催してきた。

その最終章となる今回の「rooms29」では「DNA」をテーマに様々な企画を用意するほか、ミックスメディアコラージュアーティストbedelgeuse(ベデルゲウス)をビジュアルアーティストに起用。

ファッション・服飾雑貨・プロダクトなど、様々なカテゴリーの約500ブランドが参加予定で、会場内は16エリアで構成される。

会場内にアート展示ブースを設けて本格始動する「rooms Art 部」は、名誉部員として明和電機の土佐信道や、ファッションデザイナー神田恵介とカメラマン浅田政志、丸いシールのみで夜景を描く「Beautiful Midnight」で知られる大村雪乃などが出展。

日本のものづくりを継続・発展させることを目的としたクリエイションを集積する「Made in.」と”女子目線の地場産”がコンセプトの「rooms 地場産」では、20都府県から約110ブランドが出展する。

引用元:合同展rooms29 テーマは「DNA」ロンブー田村淳が初参加 | Fashionsnap.com

日本のものづくりには、まだまだ知られていない商品がたくさんある

僕が気になったのは、やはり日本のものづくりを継続・発展させることを目的としたクリエイションを集積する「Made in.」のブース。

そしてひと通り見て感じたことは、率直に言うと「非常にもったいない!」ということでした。

日本には、こんなにも面白いクリエイションがたくさんあります。キラリと光る良い商品がいっぱいあるんです。

しかし、日本各地の地場産業を継続・発展させようと努力しているクリエイターさんや職人さんの活動は全く消費者に伝わっていないなのが実情で、それが非常に残念だなと。

この分野に対してある程度アンテナを張っている自分でさえも、今回の展示会で初めて見る商品ばかりでした。

ここで展示されていた商品の存在を知れば「欲しい!」という人は絶対にいるはずですし、そういった情報が満足に行き届いていないことが非常にもったいないなと…。

日本の潜在顧客の数だけでは足りない

ただ、もし仮にそういった方々へ情報が完璧に行き届いたとしても、それだけではきっとクリエイターさんや職人さんたちが満足な収入を得られることはないでしょう。

やはり、商品の単価が高い。一点一点職人さんの手作りだとしても、日本人としてはもう少し安くて品質がいいモノが売られていることを知っています。あくまで日本的な日常の延長線上にあるものづくりだと考えれば、このようなクリエイションに対してそこまで価値を見出すことはできないはずです。

この価値を本当に理解して実際に購入できるリテラシーの高い人々は、日本に数%いるかいないかだと思います。

海外の人々に対する需要の喚起

しかし、海外の方からしてみると、本当に良いものだとすれば少し値がはったとしても買って帰りたいという欲求はあるはずです。

日本人からしてみれば日常の延長線上だとしても、海外の方からしてみればそれは“非日常”であり、「なんだこれは!」と思える商品ばかり。とても魅力的なモノに映るでしょう。

ただ、こうゆう話になるとすぐに「海外で売れる商品にしよう!」という話になりがちですが、それは良くない。

たとえ日本国内で数%しかいないとしても、しっかりと日本人の間で評価されて話題となることが重要で、日本人から面白がってもらえるような商品であることが何よりも大切だと僕は思っています。

ダイレクトに海外の人に媚びた商品にすると、どうしても上っ面を撫でただけのようなシラケた商品になる。しかし、日本人に面白い!と思ってもらえるようなものづくりにしていくためには、しっかりと本質を貫かなければならない。日本人に広く売れる売れない関係なく、このプロセスを辿る事こそが必要なんだと思います。

最後に

roomsプロデューサーの佐藤美加さんは、今回のイベント趣旨について以下のように語っています。

日本を考えた3年間でしたが、その中で出たひとつの答えが「DNA」でした。

文化、歴史、背景など、色々頭に浮かんだのですが、どこで作ってもガラスはガラス、シルクはシルク、紙は紙でした。そこに入っているのは、デザインと技術、そして、その作っている「人」でした。

DNAは背景に近いのですが、日本=繊細な技術と努力=国民性 その人がいる場所=育ってきた環境、そしてその場所が持つ歴史、それがどこで作ってもガラスはガラスではなくなる、選ばれる基準になるのではないか?と思いました。

震災後、日本を世界へとクールジャパンもスタートし、オリンピックも決まり、日本へ追い風が吹いて来ました。日本の良さは何だ?と、それは日本人の持つDNAにあるかなと。私は日本の良さは「繊細さ」だと感じています。

安かろう悪かろうでは無く、高かろう良かろうです。世界一薄いシルクを作る日本、世界一薄い紙を作る日本。繊細さと、探究心が作り出す技術、高くて良いと思うのです。という事で、日本を考えた3年の集大成は「DNA」となりました。

引用元:3ヶ月ぶり « rooms blog

「日本の良さは、高かろう良かろう」は本当にその通りだと思います。今回の展示会を実際に自分の目でみてみてそれを改めて感じました。

だからこそ、これからメディアでやっていけることもいくらでもあるだろうなと。日本らしいものづくりが、日本人に届くように。そして海外の人たちにも届いていくように。つまりは“本当に求めている人々”のもとへ届くように。

それこそが「残す、守る」ではなく「活用する」ということにも繋がっていくのだと思います。

参照:「残す、守る」ではなく「活用する」という発想。 | 隠居系男子

日本には面白いクリエイションがたくさんあります。興味がある方はぜひ「H.P.FRANCE roomsSHOP」など覗いてみてください。

それでは今日はこの辺で。

ではではー。

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