どうも鳥井です。
昨日、青山にあるIKEUCHI ORGANIC TOKYO STOREで行われた「食べる野菜×食べない野菜」というイベントへ行ってきました。
目的はIKEUCHI ORGANIC代表・池内計司さんのお話を聞くこと。
しかし、ご一緒に登壇されていた、「坂ノ途中」代表の小野邦彦さんの話も同じくらいとても面白かったです。
今日はその中でも、なぜ坂ノ途中さんは全店舗ちょっとずつ赤字でも路面店を出し続けるのか?
その理由について、このブログでもご紹介してみようと思います。
野菜提携企業「坂ノ途中」とは?
画像引用元:坂ノ途中 Web Shop | 京都発。無農薬・無化学肥料・有機野菜の通販宅配
恥ずかしながら、「坂ノ途中」さんのことは今回初めて知りました。
このブログを読んでいる方の中にも知らない方がいるかもしれないので、少しだけご紹介しておきます。
「坂ノ途中」さんは、環境負荷の小さな農業に挑戦する新規就農者や若手農家と提携し、農薬・化学肥料不使用で栽培された農作物を、ECショップの定期宅配モデルを中心に販売している会社さんです。
IKEUCHI ORGANICさんと共同で、「食べる野菜×食べない野菜」というコラボ商品を作成したことがきっかけで、今回のトークイベントが開催されました。
より詳細な情報は、公式HPの「坂ノ途中のこと」を読んでみてください。非常に読み応えのある内容となっています。
坂ノ途中は、なぜ赤字でも路面店を出すのか?
さて、そんな坂ノ途中さんですが、ECショップだけではなく、リアル店舗も運営されています。
現在は4店舗経営しており、京都に2店舗、東京に2店舗にあるようです。
そして、この全店がちょっとずつ赤字だそうです。
それでも、出店することに意味があるんだ!と代表の小野さんは強調していました。
その理由は、ネットには偶然の出会いがないから。
一方、店舗には偶然の出会いが存在する。だからリアル店舗を経営するのだと。
近所に住む、地元のおばちゃんとのコミュニーケーション。
これだけ読むと、「あー、はいはい。ECショップは目的買いばかりで、リアル店舗のような偶然の出会いがないってことでしょ?」と思う人も多いと思います。
ご多分に漏れず、僕も最初はそう思ってしまいました。
ただ、その具体例が素晴らしい。
京都の路面店の近くには、地元民御用達の激安スーパーがあるそうです。
そうすると、坂ノ途中さんの商品がかなり高値に見える。
具体的には、近くの激安スーパーでは小松菜が98円のところ、坂ノ途中さんだと240円もする。
そうすると、近所に住んでいるおばちゃんが、わざわざそのことを教えてくれるそうです。
「この小松菜、高っ!あっちのお店だと、98円で売ってたでー!」と。
そのおばちゃんにとっては、野菜は工業製品と同じで、小松菜は小松菜、だから坂ノ途中さんの小松菜の値付けが間違っていると思って親切心から教えてくれているのだそうです。
ただ、そうやって地元の方々と日々のコミュニケーションをとっている中で、不意に坂ノ途中さんの商品を購入してくれることもあるのだとか。
そして、家に帰って食べてみると「あれ?」と思う。
「どうやら、この小松菜はちょっと違う、小松菜といっても全部同じじゃない。この値付けの違いもどうやら間違いじゃないっぽい。」と感じ始めるのだそう。
小さな積み重ねが、社会変革に繋がる。
そんな小さな気付きがとても大切なんだと、代表の小野さんは主張します。
「たった一度そんな経験をしたからといって、そのおばちゃんが僕らの理念まで理解してくれているわけじゃない。でも、この小さな積み重ねががすごく大切で、それが社会変革に繋がるんだ」と仰っていました。
「ネット通販だけだったら簡単に儲けられるけど、それでも店舗を出すことに意味があるんだ」という言葉が僕にとってはとても印象的でした。
最後に
自分たちが実現したい社会変革のために、その裾野を広げ、より多くの人に影響を与えていく。
「わかる人だけにわかればいい」と内側に縮こまってしまってみたり、「利益を最大化すればいい」と資本主義に走りすぎて大衆迎合してしまったりしたら、絶対に生まれてこない発想だと思います。
世の中を変えたいと思うのであれば、こういった発想がこれからは大切になるんだろうなと。
個人的には大変参考になる考え方だったので、このブログを読んでいる皆さんにも何かしらの参考になれば幸いです。
なにはともあれ、僕も坂ノ途中さんの野菜の定期注文始めてみようと思います。(会場で少しだけ試食させてもらった野菜が、めちゃくちゃ美味しかったのです。)
気になる方は、公式サイトやリアル店舗をぜひ覗いてみてください。
坂ノ途中 Web Shop | 京都発。無農薬・無化学肥料・有機野菜の通販宅配
それでは今日はこのへんで。
ではではー!