モノを買う人、作る人、そのまた隣で煽る人。

どうも鳥井です。

今、木下斉さんの新刊「地方創生大全」という書籍を読んでいます。

この本がとてもおもしろいので、今日はこの本を紹介しつつ、「地方のものづくりが失敗してしまう理由とその対策」について少し自分なりに思うことを書いてみようかと思います。

「食えたモンじゃない」特産品が生まれるわけ

「なぜ地域のブランド化が失敗するのか」その理由について、本書では詳しく書かれています。

読みながら特に印象に残った部分を、まずは少し引用してみましょう。

▼「食えたモンじゃない」特産品が生まれるわけ

では、どうしてこのような商品が、次から次へと出てくるのでしょうか。背景には、特産品開発が、「生産者」「加工者」「公務員」が中心となった「協議会組織」を中心に行われ、肝心の消費地の販売者や消費者がほとんど関わっていないという、大きな構造問題があります。

つまり、基本が「つくってから売りに行く」という流れのため、初期の段階では販売者・消費者に、あまり声をかけないのです。

そのため、価格を決める場合も、原材料費、加工費、流通費などを計算し、生産者や加工者がほしい利益を上乗せして割り出す「コスト積み上げ型」が多く見られます。結果として、平気で「超高価格」になったりします。

もちろん、合理的な理由で高価格になっていればいいのです。しかし、経費を積み上げた結果高価格になっただけというのは、「作り手」の勝手な都合であって、売ってくれる側や、買う消費者側にとっては受け入れられない話です。

販売者も消費者も不在のまま。これでは、売れるはずはありません。

ただ漠然とヒアリングすればいいわけでもない。

仕事柄、地方の商品をたくさん眺めてきたので、これは本当にその通りだなと実感します。

ただ、一方で、漠然と消費者にヒアリングすればいいわけでもない。

むしろ僕は、消費者に漠然とヒアリングしてしまうことは、作り手にとって害悪になるときもあると思っています。

それはなせか?

作り手が、消費者の求めているものを、ただそのまま作るようになってしまうからです。

そうすると、「メディアの衆愚化」問題と同様、どれも似たり寄ったりなものになってきて、プライドも何もない商品(コンテンツ)が出来上がってしまいます。

でも、だからといってヒアリングせずに商品を作ってしまうと、消費者が満足してくれる商品は一生つくることができない…。

この矛盾をどう乗り越えれば良いのか?

じゃあ、この矛盾をどう乗り越えれば良いのでしょうか?

それが、今日の題名にもあるように、大事なのは「隣で煽る人」なのではなかろうかと。

「自分たちが本当に作りたいもの」と「消費者が求めるもの」その交差点を消費者と向き合う中で気づけるように、消費者目線でもなく、作り手目線でもなく、その中間に立って意見をしてくれる人。

EVERY DENIM「僕らの理想のデニムってなんだろう?」オンラインサロンの経験。

僕は以前、こんなツイートをしたことがあります。

実はこれ、EVERY DENIMとコラボして期間限定で運営しているオンラインサロンをやりながら思ったことなんです。

参照:Synapse(シナプス) – 僕らの理想のデニムってなんだろう?

僕は常々、EVERY DENIMのお二人には、超民主的になりつつ、超独裁的になって、その上で新型のデニムを開発してみて欲しいと思っています。

だからこそ、作り手がしっかりとヒアリングできる環境を作り出し、彼らが自分たちのプライドを曲げずに作ることができる「場」と「空気」を、僕らのような立場の(メディアのような)人間が作り出すべきだと思っています。

もし、彼らが消費者の意見に流されそうだったら、叱咤激励して「それは消費者の声に流されているだけだ!」と発破をかけつつ、逆に消費者の意見を無視して暴走してしまいそうな時には、そんな暴走を冷静に食い止められるように。

サロン参加者の方々との「大討論会」を通じて。

先日、オンラインサロンに参加してくれている方々の声を実際にヒアリングするために、都内の某カフェに集まってもらって「僕らの理想のデニムってなんだろう?大討論会」を行いました。

その中で、まさに上記のような出来事が起きたのです。その結果、今とても良い商品が完成しそうな兆しが見えてきました。

最後に

上述した地域のものづくりの事例にこそ、消費者と生産者、そしてメディアやプロデューサーのようなポジションの人たちが、ダイレクトにつながっていく場が必要だと思います。

今回ご紹介したオンラインサロンのような仕組みをもっともっとうまく活用していけば、皆が納得する商品を各地域から作り出すことができるのではないかと感じ、今回ブログに書いてみました。

なにはともあれ、「僕らの理想のデニムってなんだろう?」を通じて、本当に受け手・作り手・売り手、三方が皆満足することができる「僕らの理想」と言えるデニムが完成しそうです。

ぜひ楽しみにしていてください。

また商品が完成したら、このブログでもご報告したいと思います。

それでは今日はこのへんで。

ではではー!

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