昨日、灯台もと暮らしの編集会議でこんな話をしました。
近ごろ自分の納得感や心地よさを大切にして、社会の「こうあるべきだ!」という同調圧力に屈することなく、今この瞬間を大切にしながら、“自分らしい”暫定的な解を選び取ることができるひとが増えてきた。
でも、そこで選び取ったものが未来永劫続くのかと問われれば、否と答える。
自分の決断に対して、まだまだ自信を持てていないからだ、と。
人間の成長で言えば、よちよち歩きを始めた赤ちゃんのタイミングに近いのだと思います。
暫定的に自分らしい選択をしているひとたちを、支援できる地域や自治体は強い。
さて、少し話は変わりますが、今朝タイムラインにちきりんさんのこんなツイートが流れてきました。
もちろん「子育ての時期だけこっちに住む」とか「定年したらここに住む」など、人生ステージに応じて場所を変えるのもいい。地方はすぐ「定住促進」っていうけど、そういう終身雇用的発想はやめて「数年だけ住んでみるならいい場所ですよ」っていうアピールのほうが賢いと思うけどね。
— ちきりん (@InsideCHIKIRIN) 2018年9月5日
上記の話を受けて改めて思うのですが、暫定的に自分らしい選択をすることができるようになったひとたちを支援できる地域は強いなあと。
これはもう断言できますが、様々な地域を知れば知るほど、この地域だけで一生を終えるなんて思える地域は絶対にないです。
全ての地域が代替可能性のある土地であることに気が付きます。
それでも「この土地に骨の埋める覚悟がある」と言い切れるのは、全く何も知らない無知な状態か、圧倒的な強い意志を持ち合わせているか、のどちらかです。
圧倒的な強い意志は「今からつくります!」と宣言してつくるものではない。
きっと多くの自治体では、その圧倒的な強い意志を持ち合わせているひとに来て欲しいと思っているのでしょう。
でも、それは無理な注文です。
なぜなら、そういう強い意志というのは「今からつくります!」と宣言してつくるものではないからです。
結果的に形成されるもの。『星の王子さま』に出てくるバラのお話に近いのかなと。
最後に
最初は暫定的に選び取っただけであったとしても、そこからいろいろなストーリーが発展してきて、結果的に自分にとってかけがえのない土地になってくる。
そして、ふとした瞬間に圧倒的な強い意志が自分の中に芽生えていることに気が付く。
もし、永住者や関係人口を増やしたいのであれば、僕はこのアプローチしかないと思います。
参照:【メモ公開】青森県上北地域でこれからの「移住」についてお話してきました。 | 隠居系男子
青森県十和田市や北海道下川町なんかは、その先進事例になっていきそうな気がしています。
今日のお話がいつもこのブログを読んでくださっている方々にとって何かしらの参考になれば幸いです。