『ジブリ汗まみれ』の中で中田ヤスタカが語った、ボーカロイド論が”日本らしい”。

どうも鳥井(@hirofumi21)です。

最近、プロデューサー引退宣言をした鈴木敏夫さんですが、やっぱり『鈴木敏夫のジブリ汗まみれ』は相変わらず面白い!

今回は、鈴木敏夫さん、中田ヤスタカさん、西村義明さんの対談を一部をご紹介したいと思います。

参照:鈴木敏夫のジブリ汗まみれ – TOKYO FM 80.0 – 鈴木敏夫

ボーカロイドが世に出回ったことで、音楽制作をする人に与えた影響、そしてそこから生まれた「人間じゃ無理!」を楽しみ始めた人々…。

この一連の流れが、ものすごく“日本らしい”なと思ったので、書き残しておきたいと思います。

音楽を作っている人たちに起きた変化

ボーカロイドが出てきたことにより、「ボーカル入り」の音楽をアマチュアの人たちが簡単に作れるようになったそうです。

今まで声の入った音楽をつくろうと思った時、誰かに声をかけないといけなった。しかし、ボーカロイドが出てきたことにより、そのハードルが取っ払われて、誰でもボーカル入りの曲を作るようになったと。

それをキッカケに、歌詞が入った曲を作ってみようと考える作曲少年少女たちが一気に増えてきたのだというのが、中田ヤスタカさんの主張です。

中田さん自身も小学生の頃から作曲活動をしてきたそうですが、音楽を作るということが好きだったから、人に歌ってもらうという発想もなく、ボーカル入りの曲を作るということはなかったそうです。

しかし、現代を生きるアマチュアの人たちは、ボーカロイドの何種類もある声の中から自分の好きな声を選んで、自分の言葉を歌わせることがカンタンに出来るようになった。「だったら、自分もやろっかな!」っていう人が増えたということのようです。

ボーカロイドが出てきて「人間じゃ無理!」を楽しむ人たち。

ここまでの話であれば、よくある技術革新の話です。

別に大して“日本らしさ”がある話ではないのですが、面白いのはここから!

中田さんいわく、ボーカロイドというのは本当に使う人次第だそうです。

本当は人に歌って欲しいけど、それが出来ないため、デモテープのような気持ちで使う人がいて、たぶん最初に開発した人もそのつもりで作ったはずだったと。

しかし、多くの人たちがボーカロイドを使っていくうちに、使っている人たちの中で「これでしか出来ないこと面白さがあるかも!」と気付き始めた人達が現れだして、新しいジャンルが生まれてきたと。

「人間じゃ無理!」ということを敢えて創りだして、それを楽しむという人々が増えてきたというわけです。

どっちみち作っているのは人間なんですが、人間じゃ絶対に出来ないものをつくり出し、そこに楽しみを見出し始めたというわけです。

最後に

以下の記事の中でも書きましたが、「場」を創り出せば、予想もしなかったことを始める人々が必ず出てきます。

参照:僕たちは“場”をつくり、“中身”を作る必要はないのかもしれない。 | 隠居系男子

今回の場合であれば、その「場」がボーカロイドであり、そのボーカロイドを創りだした人々には想像もしなかったような、「人間じゃ無理!」を楽しみだす人が出てきたというわけです。

これがなんとも日本らしい発想であって、最高に面白いなと!

このへんの話は以下の記事にも書いたことがあるので、ぜひ合わせて読んでみてください。

参照:『日本的想像力と「新しい人間性」のゆくえ』が新しくて面白い! | 隠居系男子

明日はこの話に対して、鈴木さんが語り始めた違和感について書いてみようかと思います。さらに面白い話が続きますよ!

それでは今日はこのへんで!

ではではー!

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