ウェブで求められているのは、リアルで生々しいもの。

どうも鳥井(@hirofumi21)です。

ウェブ上のコンテンツを作っていると、作り手側からよく聞こえてくる不満として「プロの文章、プロの写真、プロの動画のクオリティで見せられたら、もっとみてもらえるのに…。」というのがあります。

「今のウェブ上にあるものは総じてクオリティが低くて、この程度のレベルでしか提供されていないから読者は仕方なくコレを見ているだけで、本当に受け手が求めているものはもっとハイクオリティなものなのだ!」という主張です。

でも本当にそうなのでしょうか?それはきっと幻想でしかないと僕は思っています。

実際に今ウェブ上で読まれているコンテンツが、今ウェブ上で一番求められているものなんです。それはきっと、酷くリアルで生々しいもの。今日はそんなことについて少し書いてみようと思います。

「もしプロ並みのクオリティで届けられたら…」という幻想。

「もし、テレビや映画のように圧倒的な映像美で届けられたら…」「紙の雑誌のように芸術的で余韻を残すような美しい写真と文章で届けられたら…」というのは本当にこの界隈でよく聞く話です。

しかし少なくともマスに向けられたハイクオリティのものを、そのままウェブに持ち込んだとしても、それは思った以上に反応がないはずです。

それはなぜか?

色々と理由はあると思いますが、一番の理由は胡散臭いからです。これまでもマスメディアが時々ウェブに迷い込んできて、そのままのクオリティで届けたりしていますが、思った以上にウケなかった。

やはり、かなりの額を掛けて作り上げたコンテンツというのは胡散臭さもついてまわってしまうものなのでしょう…。

ウェブで重要な要素は、「素人感」や「一個人の創造性」

しかし、ウェブでウケているコンテンツに「胡散臭い」はご法度です。いかに「リアルで生々しいか」のほうが大切。

人間味と言ってしまえばそれまでなんですが、もっとこう、泥臭くてダサいもの、日常感のあるモノの方が受け入れられます。

もちろんその中でもクオリティというのは求められていきますが、やはりある一定の“素人感”や、“一個人の創造性”ということの方が重要になります。

その時代に誰もがカンタンに作り上げることができてしまう品質の中で、リアルで生々しいものの方が、ウェブ上では広く見られていくというわけです。

最後に

つまり、今ウェブ上で提供されて、実際に受け入れられているコンテンツというのは、その瞬間に一番ウェブ上で求められているものだということです。

立ち飲み屋のオヤジが「うちのお店も高級ワインと高級フランス料理を出せば、お客さんがもっと沢山来るはずなのに…!」って勘違いしているのと同じです。立ち飲み屋で必要なのは、キンキンに冷えた生ビールとモツ煮込みであって、ワインとフランス料理じゃない。

紙・テレビ・ウェブ・劇場など様々なフォーマットに合わせて、そのフォーマットの本質が何なのかを捉えた上で、どんなクオリティのモノが本当にそこで求められているのかということを常日頃考えたいところです。

コレを読んでくださった皆さんの何かしらの参考になれば幸いです。

それでは今日はこのへんで。

ではではー!

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