どうも鳥井（@hirofumi21）です。

とうとう、昨日『あまちゃん』が終わってしまいました。
本当に最後の最後まで、終始一貫して楽しませてもらいました。

最終週なんて、１話ずつ本気で泣いたほどです。どうしてこれほどまで泣かされるのか、自分でもわからないですが、とにかく泣けました。笑

ただ、１つだけ！！

１つだけ心残りというか、どうしても引っかかってしまう部分があるんです。それが題名にもあるように、ユイちゃんのヤンキー時代、あの黒歴史について。

ユイちゃんが外見清楚の腹黒ユイちゃんに戻って以降、ほとんど触れられることがなかったこのネタ、本当にあれでよかったのでしょうか。この事について今回は自分の思うところを書いてみようと思います。

なお、あまちゃんの最終週と全体の感想についてはこちらに譲ります。この２本の記事が全てを語ってくれていると思うので。

あまちゃん最終週～4人目のマーメイド: フモフモコラムプレミアム

あまちゃん最終回～「第二章・イーハトーブへ」: フモフモコラムプレミアム

ネット上で拡散されたユイちゃんのヤンキー時代

これを読んでくれている皆さんは御存知のように、ユイちゃんはお父さんが急病に倒れ、母が蒸発してしまったことをきっかけに、上京の夢を絶たれてしまいます。

そして、その反動から高校を辞めて、田舎のヤンキーの道に走ります。

劇中では２ちゃんねると思わせるようなサイトで、ミス北鉄でそこそこ有名になったユイちゃんの悪い噂がドンドンと書き込まれて、万引きしているところや、ガラの悪い男と一緒に歩いている写真も続々と投稿されていました。

その回のあとに、自分が思わずtwitterで呟いてしまったのがこちら。

ユイちゃんをあんなに軽々と地方のヤンキーにして欲しくなかったわー。アイドルになる上で、下積み時代の評判をあれほど気にしてた子が地方のヤンキーになるって、そーゆうことでしょ。ある意味、都内で水商売するよりたち悪いよ。地方のヤンキーの意味合い、もう少し考慮して欲しかったなー。

— 鳥井 弘文 (@hirofumi21) July 15, 2013

田舎とヤンキーの密接な関係

田舎のヤンキー文化っていうのは、関東のそれとはまた違う独特な雰囲気があります。

関東でまっとうに育ってきた人は、よく勘違いをしているのですが、田舎のヤンキーっていうのは、『クローズ』とか『池袋ウエストゲートパーク』みたいなコテコテなモノではありません。

今回のユイちゃんのように、行き場がなくなった子達が“無条件”に流れ着いてしまう場所が、ヤンキーというコミュニティなんです。

関東やある程度の主要都市であれば、オタク文化のたまり場や、となり町のまた違う同世代のコミュニティ、あるいは大人が多いバイト先などがその受け皿になると思いますが、田舎にはそれがありません。

家庭にも学校にも居場所がなくなれば、行く先はもうヤンキー「しか」ない。

それぐらい狭くて、選択肢がないのが田舎なんです。

未だに残り続けるネット上の炎上事件

twitterやFacebookが広まり始めてから、学生の炎上事件が多発しています。

最近では、飲食店の冷蔵庫の中に入るなどが記憶にあたらしいですが、adidasの一件だって、ウェスティンホテルの一件だって、未だに検索すればその時の情報は無数に出てきます。

一般市民レベルでこれなので、ご当地アイドルとしてそこそこ名前が売れている場合は、もっと深刻な状況であるということは間違いないと思います。

今のネット環境、法律上ではこれを対処することは出来ません。それこそ、一生ネット上に残ってしまう事であり、ネットが便利になればなるほど、その情報がひと目に触れる機会も増えていくはずです。

リアルと交差したと言われるからこそ…

今回の『あまちゃん』の感想で、色々なところで言われていることですが、このドラマの最大の功績は、リアルとエンターテイメントを交差させたことだと思います。

実際に岩手県北三陸には、あまちゃん効果で多くの人々が今も訪れていて、皆があまちゃんの世界観に浸っています。

現場にいかなくても、ネット上やリアルな場で、あまちゃん談義がそこらじゅうで繰り広げられています。

完全にリアルの世界に侵食してきたのが、この『あまちゃん』という作品なんだと思います。

だからこそ自分は、ヤンキーの黒歴史についてもしっかりと触れて欲しかった！

ユイちゃんが自分の黒歴史に悩む、悩まされるシーンぐらいは少なくとも入れて欲しかった。それを理由に、潮騒のメモリーズの再結成を躊躇するぐらいの描写はあっても良かったんではないでしょうか。

また、ヌメッとした顔のテレビ局ディレクターにその部分を突っ込まれるとか、ひびき一郎や太巻さん辺りに、その辺の話を突っ込まれて苦い思いをするっていう描写を入れてみても良かったと思います。

とにかく、せっかくここまで大人から子供まで皆が一緒に楽しんだ朝ドラだったんだから、岩手観光協会のHPで彼女たちの魅力が広がっていくというネットの良さも描くと同時に、その負の部分もまた同様に描いて欲しかった！

「一度やらかしてしまうと、それが一生ついてまわるんだよ！」っていうネガティブな側面も、デジタルネイティブと呼ばれる今の若い子たち、そしてその親御さんたちにしっかりと伝えて欲しかったなーと思います。

最後に

正直自分でも「別にそんなのどうでもいいだろう」と思う部分もあります。

しかし、ここまで見事に「これまでの日本、そしてこれからの日本の姿」を提示したドラマだったからこそ、そこを期待せずにはいられませんでした。

人間が生きていく上で、これからはネットは必要不可欠でしょう。それは、刃物という便利な道具がそうだったように、時に自分を傷つけるんです。普段は穏やかで様々な恵みを人々にもたらしてくれる海だって、時に津波となり人々に恐怖を与えるんです。

それと同じように、ネットも便利である反面、間違った使い方をすれば、自分の足かせとなってしまうこともある。それをメッセージとしてちゃんと入れ込んで欲しかったということです。

自分はあまちゃんを最後まで観て、そんな風に思った次第です。

でも、とにかく本当に良いドラマでした！！

次回作は期待しません。何度も繰り返して再放送してくれればいいなと。そして、NHKがあまちゃんバブルで一通り稼ぎ終わったら、ネットで全話無料で配信して欲しいです。だれでもいつでも観られるようにしておいて欲しい。心からそう願う良い作品でした。

『あまちゃん』を制作する上で関わったすべての人へ、ありがとうございました。

それでは今日はこのへんで！

ではではー！

鳥井弘文

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