どうも鳥井(@hirofumi21)です。
昨日ついに「特別展 建築家・ガウディ×漫画家・井上雄彦 -シンクロする創造の源泉」へ行ってきました。
もしかしたら開催中に行けないかなと思っていましたが、無理にでも時間をつくって本当に良かったなと思います。
今日は自分がこのイベントを通して学んだ「人間は皆一緒。創造はしない。自身がいる場所の気候風土から発見するだけである」ということについて少し書いてみようと思います。
画像引用元:特別展 建築家・ガウディ×漫画家・井上雄彦 -シンクロする創造の源泉
ガウディを目当てに足を運んだ女性2人組
自分がこのイベントに足を運んだ理由はもちろん「井上雄彦さんに興味があったから」です。
参照:承 井上雄彦 pepita2を読んで。日本人が受け取って、受け継いでいくもの。 | 隠居系男子
しかし入場してすぐ後ろにいた女性2人組は、ガウディの方に興味があったようです。
「え、井上雄彦の作品が続くの?ガウディがみたくて来ているのに。」
「最初の映像マジやばかったね!あれだけでもう胸が熱くなった。ガウディに比べたら隈研吾なんて比じゃないよねぇー」
さらによくよく聞き続けていると、この2人は昨年一緒にスペインへ行き、実際にガウディの建造物を見てきたようです。そのときの感動が忘れられなくて、今回の展示会にも足を運んだ様子でした。
ちょっと不快にも感じられるこの会話に、僕は後からハッとさせられます。
日本の伝統的な建築物のほうが心惹かれる自分。
僕はこのイベントに来るまでガウディのことなんて全く意識したことがありませんでした。予想通り、ガウディの作品を見ても全然ワクワクしないのです。
行く前は「これだけ名の知れた建築家だから、何かしら感じるものはあるだろう!」と高をくくっていたのですが、全くそんなことはありません。心が微動だにしないんです。
僕からしてみれば、隈研吾さんが作った日本の建造物の方がよっぽどワクワクしてしまう。
また、法隆寺の棟梁をしていた西岡常一さんが書いた『木に学べ』に書かれているような内容の方がよっぽどワクワクするわけです。
もちろん、ガウディの建造物にケチつけるつもりなんてありません。なぜそう感じてしまうのか?そこに疑問を持ったのです。
そして僕の答えは単純でした。「自分はスペインの気候風土を知らないからだ」と。
僕はスペインには一度も行ったことがありません。スペインの土壌を全く知らないわけです。
上述した彼女たちの会話によって、まさかこんなことに気づかせてもらえるなんて思ってもみませんでした。彼女たちは実際にスペインまで足を運び、スペインの気候風土の中でガウディの作品を見たことがあるわけです。だからこそ、あれほどまでに心を動かされているんだろうなと。(もちろん好き嫌いもあると思いますが…。)
そんな時、会場にも掲げられているガウディの言葉の意味が少しだけ理解できたような気がしました。
「独創性(オリジナリティー)とは起源(オリジン)に戻ることである」
ここで言う起源(オリジン)というのは、その土地の気候風土のことなんだろうなと…。
井上雄彦さんのフィルターを通したガウディの人間性に心打たれる。
ガウディに関する内容はほとんど興味を持てなかった僕ですが、井上さんのフィルターを通して見せてもらったガウディの”内面”にはすごく心惹かれました。
漫画風に描かれていたガウディの人生には、終始心が動かされっぱなしです。
「井上雄彦さんが描いた作品だからそう感じるのだろう」と突っ込まれてしまえば、それに反論できる自信はありません。しかし、井上雄彦さんの描いたガウディの内面を見ながらそれ以上に感じたことは「人間は皆一緒」であるということです。
ここでも会場に掲げられていたガウディの言葉が胸に響きます。
「人間は創造しない。人間は発見し、その発見から出発する。」
そう、人間は決して創造しないんです。人間は皆一緒。世界中どこの人間も根底にあるものは同じであると。それを井上雄彦さんはこの展示会を通して伝えたかったのではないのかと思います。
最後に
「独創性(オリジナリティー)とは起源(オリジン)に戻ることである」
では、起源(オリジン)とはなにか?
「人間は創造しない。人間は発見し、その発見から出発する。」
では、何を発見するのか?
「偉大な本、常に開かれ、努力して読むに値する本、それは、大自然の本である」
では、大自然とはどこの大自然を指すのか?
…そんなことを考え巡らせながら見てまわった結果、僕が辿り着いた答えは、人間は皆一緒だということ。ただ発見するだけ。
そしてその発見するものというのは、その人間がいる場所によって決まるのだと。その国、いや、まさに自分がいる”いまここ”の気候風土が大自然であるわけです。
何度も書いているように、人間は創造しません。その土地にあるものから発見して出発するだけであり、今いる土地の起源(オリジン)に戻るだけなんです。
これが「建築家・ガウディ×漫画家・井上雄彦 -シンクロする創造の源泉」で僕が気付いたことでした。そして、以前書いた以下の記事の内容にも繋がるところ。
参照:真のグローバル化とは、徹底的に日本の原風景を理解すること。 | 隠居系男子
本当に心底行ってよかったなと思います。六本木ヒルズの高層階でみるガウディの作品に全く心惹かれなかったからこそ、スペインの地で実際にガウディの作品を観てみたいと強く思いました。
今回のイベントは9月7日までの開催です。ぜひ興味がある方は行ってみてください。
参照:特別展 建築家・ガウディ×漫画家・井上雄彦 -シンクロする創造の源泉
それでは今日はこのへんで。
ではではー。