雑誌「TURNS」連載 第9回 平山高敏さんに「ことりっぷがローカルメディアと提携した理由」について聞いてみた。

どうも鳥井(@hirofumi21)です。

「TTURNS(ターンズ) VOL.19 2016年10月号」が発売されました。

今回、インタビューさせてもらったのは「ことりっぷ」のウェブ部門を担当している平山高敏さん。


平山さんをインタビューさせてもらうまでの経緯。

平山さんとは、昨年行った「編集女子が“私らしく生きるため”の旅コンテンツ作戦会議」で、ご一緒してから、色々と仲良くさせていただくようになりました。

先日は、日本財団さん主催していた鳥取県のフィールドトリップでもご一緒しました。

鳥取県のフィールドトリップを終えました。 | 隠居系男子

ただ、お仕事の話はあまり深めたことがなく、いつかゆっくりと聞かせてもらいたいなあと思っていたのです。

そんな中、ことりっぷさんが最近始めた「パートナーメディア制度」が、このTURNSさんの連載のテーマである「地域 ✕ IT」というテーマに非常に相性が良く、この話題を軸にことりっぷさんの取り組みについてお伺いするチャンスだと思い、今回のインタビュー企画をご提案させてもらいました。

「旅」と「移住」の境目って、実はかなり曖昧。

今回のインタビューの中で、特に印象に残っているのは、「旅」と「移住」の境目って、実はかなり曖昧であるというお話です。

以下、本誌から少し引用してみます。

鳥井 さて、「TURNS」は「地域への移住」をテーマに扱う雑誌です。「旅」と「移住」は地域を訪れるという意味で近しい関係にあると思うのですが、「ことりっぷ」さんは移住についてどのようにお考えですか?

平山 現地の良さを発信するローカルメディアは、「住む」と「旅する」の魅力を〝地続き〟で表現していると思うんです。もしかすると、「移住」と大げさに提案せずとも、自然と「住む」ことをユーザーにイメージさせているのではないかな。「ことりっぷ」が、そういう「移住の入口」をつくることができたらと。

以前、三重のローカルメディアである「OTONAMIE」の方と話したんですけど、彼らもやっぱり旅行者の方々とは会いたいらしいんですよ。東京から来て、三重がどう見えるのかっていうのを知りたいと言っていて。

「ことりっぷ」というメディアを媒介にして、その土地に行くことが決まったときに、ユーザー同士で「現地にこんな人がいるからちょっと会いに行ってみなよ」とか「こんな場所に行ってみなよ」とやりとりしたり、実際に現地の方々とのコミュニケーションが生まれてきたらうれしいです。

鳥井 いまのお話を聞いてハッとしました。「旅行」と「移住」って、じつは境目が曖昧になってきているのかもしれませんね。「暮らすように旅をする」という言葉も最近流行っていますが、二拠点居住や三拠点居住なども、ある意味でずっと旅しつづけているようなものですし、旅と移住の境目ってかなり曖昧ですね。

「ユーザー」と現地の「人」を繋げる。いまメディア連携をするべき本当の理由。

たとえば「ことりっぷ」さんを読んで、どこかの地域に興味を持ったユーザー(読者)さんがいたとします。

当然、行ったことがない土地なので、観光するべき場所も、その土地の美味しいグルメもわからない…。

でも、「ことりっぷ」さんを頼りにしながら旅をしていると、どんな観光地があり、どんな美味しいグルメがあるのかも次第にわかってくる。

ローカルメディアを運営する方々や、観光に携わる人たちとの繋がりも徐々に生まれてくるでしょう。

そうすると、次第にその町のことが好きになっていって、移住や二拠点居住などについても、真剣に考えだすタイミングがやって来るかもしれません。

その時に、その土地に暮らす他の人々が何を考えていて、どのような想いでその土地に暮らしているのか、それを深く知るきっかけが「灯台もと暮らし」のようなメディアになれば良いなと。

今年に入ってから「ウェブメディア同士の連携が大切である」と漠然と感じていて、その理由を言語化するのがなかなか難しかったのですが、このバトンリレーをうまくできようにしておくために「メディア連携」をしておくことが大切なのではないかなと。

運営者目線ではなく、ユーザー(読者)目線で考える。

どうしても、運営者目線だと自分たちが重視するテーマ、今回で言えば「旅」や「移住」などを軸にして考えて、内容が偏ってしまいがちです。

しかし、ユーザーの興味というのは段階的に変化していくもの。どれかひとつのメディアでその人の興味関心が完結するわけがないんです。

だからこそ、灯台もと暮らしとことりっぷさんのような、テーマは違えど思想は近いメディア同士が横で連携していくことによって、そのユーザーさんが一連の興味関心を深めていく過程でその一助を担うことができる。もちろん各地域に点在しているローカルメディアさんだってそうです。

そのために「メディア連携」というのは大切なのではないかと。なんだかとても大事なことにハッと気付かされるインタビューでした。

最後に

あとは全く別のお話なのですが、平山さんが描いている今後の夢や野望についてのお話も、個人的はグッと来るものがありました。

このブログをいつも読んでくださっている方は、とても共感できる内容だと思いますので、ぜひ合わせて読んでみてくださいね!

さて、10月頃にはことりっぷさんと一緒に都内でイベントを開催する予定です。また詳しく決まり次第、このブログでもご紹介させていただきます。

ゆるーく楽しみにしておいてもらえると嬉しいです。

それでは今日はこの辺で。

ではではー!

[追伸]

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