工場をたたむ理由は、経済面よりモチベーション。感情のつながりが継続性のカギになる。

どうも鳥井(@hirofumi21)です。

このブログでも何度かご紹介したことのある、セコリ荘の宮浦さんと先日お話していて、とてもハッとさせられることがありました。

参照:イベント「20代編集者と一緒に考える、これからのメディアの形」に登壇します。 | 隠居系男子

それが、今日題名にもある通り「工場を畳む理由は、経済面よりもモチベーションなんだ」というお話です。

「60代のおっちゃんと20代の若手が組むことによって、新しいことなんて無限にできる。」

あの時の会話を、簡単に再現してみると以下の様な感じです。

宮浦 工場を潰したり畳む理由って、経済面よりモチベーション的な理由が多いんですよ。

鳥井 あー、なるほど。確かにそうかもしれませんね。

宮浦 若い世代が飛び込む必要があるのは、だからこそなんですよね。やる価値を与えるために。60代のおっちゃんと20代の若手が組むことによって、新しいことなんて無限にできると思うんですよ。一気にインターネットとかも使えるようになるし。若い世代が飛び込むだけで工場は続けられる。

鳥井 なるほど。本当そうですよね。新しい若い人が入ってくることによって、「明日は今日よりもきっと良くなる」っていう希望が持てるかようになる。そうすると、モチベーションって全然変わってきて、たとえ1割しか売り上げが伸びてなくても、もう少し継続してみようって思えますもんね。

宮浦 そうなんですよ。めっちゃ赤字だし、全然従業員に給与を払えてないけど、やる気満々みたいな工場もありますし。逆に、いっつも同じ問屋さんの同じ担当者に、月に1回納品して、お金の話しかしないってところは、たとえある程度儲かっていたとしても、息子にも継がせないし、閉じるってことを決めている。もしかしたら何か新しいことができるかもしれないのに…。

鳥井 うん、客観的にうまく行っているように見えても、やっぱり死んだ目になっていってしまうということなんでしょうね。

プランよりも、一緒にプレイヤーになってくれる人材のほうが何倍も求められている。

上記の宮浦さんのお話は、僕にとってもとても大きな気づきでした。

若者目線からすれば、自分なんかが行ったところで利益に貢献できるかは定かではないし、経験もないから足手まといになってしまうのではないか、と思いがち。

でも本当に現場に足りていないのは、モチベーションなんです。工場に若手がやってきて、全体のモチベーションがあげるだけでも十分に価値があることなんだと思います。

プランよりも、一緒にプレイヤーになってくれる人材のほうが何倍も求められているということ。

参照:【島根県海士町】移住希望の若者よ「プレイヤーを目指せ。もうプランは十分だ」 | 灯台もと暮らし

経済的な解決策というのは、継続さえしていれば、あとからいくらでも創りだすことは可能です。まずは一緒に何か新しいことを始めること、モチベーションを保つことの方が先決なんだと思います。

エンドユーザーの声がちゃんと届いている工場は、モチベーションを保てている。

一方で、「既存の工場でも、うまくモチベーションを保てているところってどんなところだろう?」という話にもなりました。

その答えは、エンドユーザーの声がちゃんと届いている工場だという結論に。

たとえば、洋服の製法工場であれば、実際にその商品を購入して着用する人達の喜びの声や感動の声がちゃんと届いているところは、モチベーションが高く保たれていると。

逆に、問屋さんに卸しているだけで、消費者の人たちの喜びの声がまったく入ってきていないところは、外見上はうまくまわっていたとしても、ドンドン消耗して死んだ目になってしまっていると。

やはり、自分の作ったものが誰かのもとに届いて、感動してもらえたという経験が、人間の一番の生き甲斐に繋がるということなのでしょう。

僕らのようなメディアができること。

作り手と使い手がダイレクトに繋がることによって、もっと頑張ろうと思えるようになる。つくるだけじゃない、消費するだけじゃない、そこに感情のやり取りが生まれることによって、継続性のあるものへと変化していく。

そんな互恵関係が存在するかどうか。

そして、僕らのようなメディアは、そんな互恵関係を促進することができるのではないかと思います。

商品の売り上げにダイレクトに直結させるということはなかなか難しくても、モチベーションに直結させる部分であれば、比較的容易に実現できるかもしれません。

例えば、メディアを通じて若い働き手と工場を繋げてリクルーティングのお手伝いをするとか、エンドユーザーの声を作り手さんたちに直接届けながらリアルの場で交流できるような機会を作り出すとか。

それが、僕らがまず実現できそうなことであり、これからのメディアの在り方なのかもしれないなと。

以前書いた以下の記事にも繋がる話であり、自分としてもすごく腑に落ちる話だったので、今日のブログで紹介してみました。

参照:“情報の交差点”から、ものづくりの“市場”へ。「僕らの理想の◯◯ってなんだろう?」を実験してみたい。 | 隠居系男子

最後に

今回の話は、決して「地域」の「工場」だけには限らない話です。

有形無形関係なく、なにかモノづくりをしているひとであれば、必ずどこかに思い当たることがあるはずです。

だからこそ、皆さんのお仕事にも何かしらの参考になれば幸いです。

それでは今日はこの辺で。

ではではー!

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