新しいことを始めるとき、間口は広く取る。

どうも鳥井(@hirofumi21)です。

先日、「何か新しいことを始めるときに意識したい。「最初から組み込む」ことの重要性。」という記事を書きました。

今日の記事も、何か新しいことを始めるときにぜひ読んで欲しい内容です。

僕ら、特に若い世代は、なにか新しいことを始めるとき、その目新しさをアピールしたいが故に今までになかった業種名やサービス名を付けたがります。

でも実はそれって大きな勘違いなのかもしれません。今日は「ほぼ日刊イトイ新聞」や「蔦屋書店」の例をあげつつ、そんな話について書いてみようと思います。

ほぼ日は、なぜ名前に『新聞』と入れたのか?

ほぼ日刊イトイ新聞の本 (講談社文庫)』に書かれていた話がものすごく腑に落ちる内容でした。

この記事を読んでいる皆さんは、なぜほぼ日が「ほぼ日刊イトイ新聞」という名前になったかご存じですか?若い人たちの中には知らない人も多いと思いますので、本書から少し引用してみましょう。

ホームページの名前は『ほぼ日刊イトイ新聞』で行こう。

ホームページの名前に「新聞」という言葉をつけることは、考え始めたときからイメージにあった。

ヒントはレンタルビデオで有名なTSUTAYAだった。TSUTAYAが最初、レンタルレコード店をはじめたとき、日本ではまだレンタルレコードやレンタルビデオなどは一般的ではなかった。

そこで社長の増田宗昭さんは、蔦屋書店という誰にでもわかる「書店」という業態からはじめた。ここは本屋さんなんですよ、といったん誰にでも理解してもらえる枠組みを提示して、そこに新しい業態のレンタルシステムがある、というスタイルにしたのだ。

新しいことをはじめるときは、入り口の間口をわかりやすいように広く取る。いきなり入り口から「これは新しいですよ」という部分を全面に出すと、新しいものに敏感な一部の人しか入ってきてくれなくなる恐れがある。

その点、「新聞」だったら誰でも入ってきやすいだろう。だいたい、新聞の定義とはなにか、ということもほんとうはよくわからないものだけれど、皆がわかっているつもりになっている。

正確になんであるかを説明できるように苦心しているよりも、古くからある何かの変種として新しいものを少しずつわかってもらったほうがいい。

誰でもなんとなくイメージが湧くような、わかりやすい名前をつける。

引用部分に「蔦屋書店」と「TSUTAYA」の関係性についての話も出てきますが、今の新しい「代官山蔦屋書店」や「函館蔦屋書店」の名前の由来もきっと同じ理由からなのだと思います。

今の「蔦屋書店」は、従来の書店とは異なる全く新しい“居場所”です。もはや従来の商業施設の括りの中では言い表すことができない空間となっています。

参照:函館蔦屋書店で見つけた、地方の文化を育む新たな“居場所” | 隠居系男子

でもだからこそ、あの場所に「TSUTAYA」や全く新しい名前ではなく、今改めて「蔦屋書店」と名づけたのでしょう。

そうすることによって、新しいことに興味がある敏感な人達だけではなく、「書店」という馴染みある言葉に安心感を覚えてやってきたお客さん達に対しても、従来とは全く違った体験を提供できるようになるからです。

最後に

何か新しいことを始めるときに意識したい。「最初から組み込む」ことの重要性。」という記事でご紹介した「B&B」も外見は書店です。しかし「書店」と名乗りながらも、実際にやっていることは従来にはなかった全く新しいチャレンジ。

新しいことをはじめるとき、どうしてもカッコをつけてお洒落で革新的な名前をつけてしまいがち。しかし敢えて間口は広く取る。その上で集まってくれた人々へ向けて、自分たちが本当に面白いと思うアイディアをドンドン提案していくことが、本当の意味でイケてるやり方なのではないでしょうか。

何か新しいことを始めようとしている皆さんの参考になれば幸いです。

それでは今日はこのへんで!

ではではー!

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