どうも鳥井(@hirofumi21)です。
昨日1月1日年明け早々から、ずっと気になっていた湘南T-SITEに行ってきました。
今日は実際に行ってみて気付いたこと、湘南T-SITEの魅力、「紙の本は雑貨になるべきだ」というお話について少し書いてみようかなと思います。
画像引用元:湘南T-SITE 公式サイト
湘南T-SITEのコンセプト
湘南T-SITEの公式サイトには、そのコンセプトとして以下のように書かれています。
ここは、本屋とテーマに即した30の個性豊かなショップがシームレスに繋がり湘南らしいライフスタイルを提案する文化複合施設です。
すべてのショップに本があり書店と専門店が有機的な文脈で確かにつながっている他に類を見ないモールです。
僕が特に気になったのは、「すべてのショップに本があり書店と専門店が有機的な文脈で確かにつながっている」という部分。
これが実際にどのように表現されているのか、とても気になったので実際に見に行ってみたかったのです。
確かに実際に行ってみると、どの売り場にも別の商品と一緒に本が並べられてありました。まさに「有機的な文脈で繋がっている」という表現がピッタリで、今までにはない空間設計となっていました。
NORTH FACEやカメラのキタムラの近くには、旅の本がたくさん。ディスプレイも旅のパッキングをイメージした独特のディスプレイ方法となっていて、とても興味深かったです。
鍋などキッチン用品が並べられているところには、一緒に料理本など食に関する本が並べられていたり、オーガニック系の衣類のところには、パーマカルチャー系の本が多く並べられてありました。
雑誌だと「&Premium」や「KINFOLK」、エイ出版の雑誌がよく置かれていたと思います。
「本は雑貨になるべきだ」ということを体現している複合施設
昨年末参加した「小出版のススメ」というイベントで、まさしくそうだなぁと思ったのが、ミネシンゴさんが言っていた「本は雑貨になるべきだ!」というお話。
今回、湘南T-SITEに行ってみて一番強く感じたのは、それを体現している場所だということです。
電子書籍がより一層幅を利かせるようになってくるのは間違いありません。更に紙の書籍が衰退していくのは防ぐことができないでしょう。
そんな時代背景の中で、専門書を除く多くの紙の本はこのように扱われるのが正しい姿なのだろうなぁと、この空間を通して強く実感しました。
関東ゆえの狭さが多少のデメリット
ただ、今回湘南T-SITEに行ってみて、ひとつ気になったのが「空間の狭さ」。
小物や雑貨の他に衣類や自転車など大型のモノも一緒に売られているため、その分場所をとってしまい、なんだかちょっと狭い印象。
蔦屋書店の良いところは、適度な余白的な空間だと思っていたのに、ラウンジの席数もあまり多くないので、ゆっくりコーヒーを飲めるというわけでもなく、手にとった本を気軽に没頭できる空間はあまり広くはありませんでした。
特に函館蔦屋書店と比べてしまうとそれは顕著で、湘南らしい屋外の席も冬場は使えないので、尚更そう感じてしまいました。
郊外型の中規模地方に求められる場所?
さて、こういったコミュニティスペース的な施設にも代表されるように、今人々が求めているのは、「人と人とのつながり」。
だからこそ、徳島県神山町のような場所だったり、ご近所付き合いが未だに続いている全人口が数千人の地方に惹かれて移住していく若者が後を絶たないのでしょう。皆さん、身の丈にあった生活を実践している地方の人々に憧れるわけです。
東京は感度の高い人が集まっているので、それこそ鈴木敏夫さんが言っていた「東京の田舎化」という流れは急速に加速し、小さなコミュニティスペースが自然発生的にボコボコと生まれてくるはずです。
一方で、誰との繋がりを持てない廃墟化している郊外型の中規模の地方が一番問題となってくるはずです。10万人〜30万人の都市サイズで、それこそ北海道函館市のような場所。
そんな場所に、今回訪れた湘南T-SITEのような場所だったり、函館蔦屋書店のような空間がドンドン立っていくのが一番ベストなのかもしれないなぁと改めて思いました。
参照
函館蔦屋書店がスゴい!代官山を超え、これを目当てに函館に移住しても良いレベル! | 隠居系男子
函館蔦屋書店で見つけた、地方の文化を育む新たな“居場所” | 隠居系男子
最後に
これからの暮らしを考えるウェブメディア「灯台もと暮らし」でも“場づくり”をしていきたいと思っているので、最近はこういったコミュニティスペース的な空間を観察することに余念がなく、そういう意味でもとても参考になる商業施設でした。
小さなコミュニティスペースが自然発生的に生まれることを期待するよりも、ある程度先頭にたってくれて、その地方の文化を育んでくれるような場所。
湘南T-SITEも「5つの体験スペース」を準備しているようで、今後この場所から、どのような文化が生まれ、広がりを見せていくのかとても楽しみです。
それでは今日はこのへんで!
ではではー!