「TURNS」内田樹インタビュー「地方でとことん突き詰めて考える」ということ

TURNS(ターンズ) VOL.8 2014年4月号

どうも鳥井(@hirofumi21)です。

地域の魅力を再発見。人と地域を結び、移住を応援する雑誌「TURNS」を最近読みました。

その最新号に掲載されている内田樹さんのインタビューが非常に興味深かったので、今日はこれを取り上げてみようと思います。

いま、地方が面白い!

「いま、地方が面白い!」ということは、このブログでずっと書き続けてきたテーマです。実際に僕も奈良や地元の函館で、それを身を持って体験してきたつもりです。

参照
奈良県へ一人旅、そして天川村へ。 | 隠居系男子

函館蔦屋書店で見つけた、地方の文化を育む新たな“居場所” | 隠居系男子

そして今、多くの方がこの魅力に気が付き始めています。内田樹さんも以下のようにおっしゃっています。

就活に見切りをつけて、オルタナティブな就職を始めた人が、いま全体の5〜6%はいると思います。ローカルのおもしろさに気付いた感度の高い人達です。これが短期間のうちに15%ぐらいまで増える可能性があると思います。

クラスメートのなかでも行動力があったり、一目置かれている人たちが地方に動き出すと影響力は大きい。

あれっ、あの人たち地方に行っちゃったけど、自分はいいのか、こっちに残ってて?と。

こうなると、あとは一気ですよ。雪崩をうつようにザーッと地方へのトレンドができると思います。

今回「MATCHA – Japan Travel Web Magazine」を立ち上げて、一緒にメディアを作ってくれる方を募集したところ、150名以上の方から連絡を頂いたのですが、その中にも「良い感じで、地方の魅力に取り憑かれているなぁ」という人は多かったです。

皆さん、地方の話になると本当にキラキラと目を輝かせながら地方の素晴らしさについて僕達に語ってくれるんです。

そこにある輝きというのは、最近日本ではめっきりと見ることができなかった輝きだなぁと。

地方に行く人ほど、情報発信力を高めるべき。

内田さんは「クラスメートの中でも行動力があったり、一目置かれている人たちが動き出すと影響力が大きい」とざっくり述べていますが、僕は「情報発信力の高い人」ほど地方に行くべきだと思っています。逆に言うと、地方に行こうと考えている人ほど情報発信力を高めていくべきだと。

「俗の世界から離れて、パソコンもスマホも捨てて、情報遮断して…」ではなく、「地方からガンガン発信してみる!」それが新しい地方での働き方なのではないかと思っています。ある意味で新しい「隠居生活」とも言えるかもしれません。

もし、情報が溢れる生活に疲れて果てているのなら、地方へなんて行かずに都会の中でやるべきなんです。

そうやって、逆張りしていった方が絶対に面白い化学反応が起きるはず。従来の場所で従来通りの事をしても、そこに起こることは「予定調和」でしかありません。

だからこそ、僕は以下の様な記事も書き続けてきました。

参照:
地域密着型のブロガーが求められる時代。 | 隠居系男子

地方ブーム到来!?地域密着型ブロガーの記事を集めたサイトをつくりたい! | 隠居系男子

地方ブーム、そして「ピンポイント産直居酒屋」に思うこと。 | 隠居系男子

地方で働くことは「自分自身でトコトン突き詰めて考える」契機になる。

では、「地方で働く、地方を題材にして仕事をする」ということの一番のメリットは何なのでしょうか。

内田さんは以下のように仰っています。

仕事の本当の価値はインヴィジブルアセッツ(見えざる資産)にあります。仕事をすることで生命力が高まったり、知見が広がったり、人と知り合えたりする。仕事を通じて自分がどれだけ豊かになれるか。そうした見えない価値を基準に職業を選択して欲しい。

群れを離れると、“仕事ってなんだろう?”という根源的な問題に突き当たる。労働ってなんだ、経済ってなんだ、人が群れを離れて違うことを始める、その一番の効用は、“俺は何をやっているのか”をトコトン突き詰めて考えることだと思います。

これには完全に同意で、地方で働く一番のメリットは「自分自身でトコトン突き詰めて考える契機になる」ということだと思います。

先日も書きましたが、今の時代を生きる僕らに圧倒的に足りないのは、「自分自身で考えてみる」ことなんだと思います。

きっと、今からあなたが考えようとしていることは、既に答えが存在していることばかりでしょう。そして、都会の生き方というのは、それを効率よく見つけてきて適用させることが求められています。

だからこそ、「意識高い系(笑)」というような揶揄もでてくる。彼らは感度が高くて、行動力もあるのですが、その全てが受け売りで、自分自身が本当に納得いくまで考えてみるというプロセスを踏んでいないから、そこに厚みがなくて薄っぺらく見え、批難されてしまうという。

実体験だけがいいわけでもないし、読んだり聞いたりした内容だけでもダメ。

一つ一つを自分で考えながら、実体験をしてみたり、本を読んでみたり、人と会ってみたりしながら、突き詰めて考えてみる過程のプロセスこそが、今決定的に足りないところであり、求められていることなのだろうなと。

それを行う上で、一番良い環境というのが「日本の地方」なのだと思います。

もちろん海外に出てみるということも素晴らしいと思いますが、どこか「他人ごと」になってしまう海外よりも、日本の地方で都会的な生き方から離れ、日本の原風景の中で本当に大切なモノは何かを考えてみる、そこに地方で働く魅力があるのだと思います。

最後に

この他にも、今回のインタビューには沢山のヒントが隠れています。

たった2ページしかないのですが、その分しっかりと凝縮されていて、ホントに素晴らしいインタビュー記事となっていると思います。

内田樹さんご本人も、Twitterで以下のようにつぶやいていました。

このインタビューを読んだ後、以下の記事で紹介したPodcast番組『学問ノススメ』を聴いてもらえると、完璧ではないでしょうか。

参照:真のグローバル化とは、徹底的に日本の原風景を理解すること。 | 隠居系男子

それでは今日はこのへんで。

ではではー!

スポンサードリンク