どうも鳥井(@hirofumi21)です。
昨日、下北沢のB&Bで行われた「青木耕平×砂流恵介『北欧、暮らしの道具店』に聞く、ファンに愛されるブランドのつくりかた」というトークイベントに行ってきました。
クラシコムの青木さんとは何度かお酒の席でご一緒しており、砂流恵介さんは「広報会議」の時にインタビューしてもらいました。
既にお二人のお話は非常に面白いということは知っていたので、Peatixに飛んできたB&Bの新しいイベント通知メールでこのイベントを見つけた瞬間、チケットを即購入。
今日は、このイベントで僕が印象に残ったお話を少しご紹介してみます。
トークで印象に残った話題。
まずは今朝連続ツイートしたものを少し引用してみます。
昨日のイベントでクラシコムの青木さんが言っていた、時代のカリスマは年代ごとに異なって、90年代はクリエイター、ゼロ年代にはキュレーターへと移り変わり、今はカリスマ消費者が注目を浴びているっていう話がおもしろかった。ライフスタイルをうまく見せられる人が今は持て囃されていると。
— 鳥井 弘文 (@hirofumi21) 2016年5月10日
あとは記事広告の話で、メーカーさん側はなるべく広告臭がしないように自社商品を隠しつつ、読み物として楽しめるようなものにして欲しいと依頼してくるけれど、そうはしないという話も面白かった。読者が本当に嫌いなのは、「嘘と退屈」であり、真実は知りたいのだと。
— 鳥井 弘文 (@hirofumi21) 2016年5月10日
だから「北欧、暮らしの道具店」の記事広告のイメージは、女性向けの「カンブリア宮殿」だそう。フェアな立場(視聴者目線)で語ってくれる小池栄子や、村上龍みたいな存在でありたいと。
— 鳥井 弘文 (@hirofumi21) 2016年5月10日
あと、数値分析系の話で言うと、誰がライターなのかというのを記事末尾にしか表示しないようにしたら、読了率がダダ下がったという話もおもしろかったなあ。今は冒頭にもライターが誰かを表示している。つまり読者は、誰が書いているのかちゃんと知ってから読みたいのだと。
— 鳥井 弘文 (@hirofumi21) 2016年5月10日
トムソーヤ・マーケティングとは?
また、青木さんが「トムソーヤ・マーケティング」と呼んでいた手法の話も非常におもしろかったです。
若干孫引きのような形になってしまいますが、青木さんがイベント中にお話していた「トム・ソーヤの冒険」の一節と、同様のエピソードを他サイトから少し引用してみます。
ト ム・ソーヤの話をご存知だろうか?トムはいたずらの罰として、ポリーおばさんにペンキ塗りを命じられる。せっかくの土曜日にペンキ塗りという不名誉な仕事 をおおせつかったトムは、なんとかこの仕事から逃れたいと思った。そして名案を思いつく。本来、つらくていやなはずのペンキ塗りなのに、楽しそうに口笛を 吹きながら始めたのだ。通りかかった友達はトムを冷やかす。トムはお構いなしでご機嫌なままペンキを塗っている。
怪訝に思った友達は、 なぜ楽しそうなのか?と聞く。「なぜかって?ペンキ塗りって毎日できる仕事じゃないだろ?」。確かにペンキを塗る機会は少ない。友達は、あまりにも嬉しそ うなトムを見て、ついつい自分も塗らせてくれと頼み込む。トムはこれを断る。なお一層、興味を示した友達は、自分の持っている宝物と交換に塗らせてくれと 頼み込む。ならばと、トムはその宝物と交換に、「とっておき」のペンキ塗りという仕事を友達にやらせてあげる。やっとペンキ塗りという「価値ある」仕事を 手に入れた友達は、大喜びで仕事にとりかかる。それを見た他の友達も次々にペンキ塗りに加わっていく。
この話を聞くと、一見、トムはずるい ようにも思える。しかし、実際にはトムは人をだましているわけではない。自分の宝物まで差し出した仲間達は、皆、本当にペンキ塗りを楽しんだのだ。なぜ楽しめたのか?それはトムがペンキ塗りに「新しい価値」を与えることに成功したからだ。その価値に共感したからこそ、仲間達は対価として労働力と宝物を支払ったのだ。
「超楽しそうにやること。」
上記のお話の中で、大切なことは「超楽しそうにやること」だと青木さんは仰っていました。
超楽しそうにペンキを塗っていれば、勝手に「何をやっているんだ?」「俺にもやらせてくれ!」「仲間にいれてくれ!」と自然に人が集まってくるのだと。
楽しそうな“フリ”はしないこと。
この話がとても示唆に富んでいたなと思います。
ただ、この時に注意しなければいけないことは、楽しそうな“フリ”をしないことだと僕は思います。
今の時代、それこそユーザーは「嘘と退屈」をすぐに見抜きます。どれだけ美しくに取り繕ったとしても、です。
だからこそ、本当に自分たちが楽しめることに全力投球するべきなのでしょう。
これが世間的にウケそうとか、読者の反応が良さそうとか、そういう理由で自分たちが本当に好きでもないネタを安易に選ばない。
常に自分たちの興味関心ごとに正直になり、その中からネタを選ぶこと。そして、全身全霊でインプットし、全力で楽しみながらアウトプットしていくべきなのでしょう。
そうすることで、個人だろうと企業だろうと、そのメディア(媒体)には勝手に人が集まってくる。そうすれば、そこから収益化するために“市場”を作りだすことは、わりと簡単なことのはずです。
最後に
いつもこのブログで書いている“情報の交差点”というのは、まさにこのペンキを塗っている時のトムのような心意気でつくろうとすることが大切なのでしょう。
参照:メディアを運営する上で「共に考える」を大切にしたい。 | 隠居系男子
僕らが最近始めた「スチーブ」という暮らしのプラットフォームもそうですし、「灯台もと暮らし」でこれから新しく始める特集企画「僕らの学び(仮)」も、まさにそんなことを意識しながら準備しています。
楽しみにしていてもらえると嬉しいです。そして、今日の一連の内容が皆さんのお仕事にも何かしら参考になれば幸いです。
それでは今日はこの辺で。
ではではー!